「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第30回
中華そば屋で やる晩酌  (その2)

餃子のあとは、日ごろの野菜不足を補う意味でも
肉野菜炒めをお願いすると、これがシャキッとして快適。
かなり浅めの火の通しで、たまには
「いくら何でももうちょっと炒めてちょうだい」と
思うこともあるが、少なくとも炒めすぎのベッチャリよりは
はるかによろしい。

酒は紹興酒の花彫珍年5年物。
飲みきれなくとも600mlのボトルを頼む。
きくらげタップリの肉野菜炒めとなかなかの相性を見せる。
ほぼこれでお腹は萬福、もとい、満腹に近い状態ながら
名物の中華そばを無視できずに、もう一踏ん張りだ。
中細・ストレート・薄黄色の麺に、澄み切った醤油スープ、
これぞ東京ラーメンといったふうのの中華そばだ。
具は脂身がチョコッとついたもも肉チャーシュー、
シナチクとほうれん草、三角形のユニークな薄焼き玉子。

シコシコの冷たい麺が魅力の冷やし中華、
チャーハンとチキンライスの
中間みたいな味付けのポークライス、
どちらも傑作なのだが、さすがに独りで平らげるのはキツい。

もう1軒。根津の交差点近くで、最近みつけたのが「オトメ」。
オカシな店名の町の中華料理店だ。
もともと「オトメパン」というパン屋だったのが
先代が思い立って中華料理に商売替えをしたそうだ。
国分寺で店主の兄さんが同名の店を開いており、
あちらも地元では人気を博している様子。

ビールはサッポロ黒ラベル。
紹興酒は紹興貴酒なる1本650円の小瓶。
5カン付けの餃子は、塩味強めのニラ多め。
生姜を効かせているのが特徴だ。
これは酢も醤油も辣油も付けず、そのままやるのがベスト。
「う〜ん、ここの餃子も当たり!だな」――満足、満足。

酢豚か八宝菜、あるいは豚レバ・ピーマン炒めや
海老・鶏肉・あわび炒めをメインとしている。
ほとんどの客は近所の常連さん。
中年男性の独り客が多く、こちらとしても居心地がいい。
彼らもまた思い思いに、日本酒や紹興酒で手酌酒だ。
女性のグループ・家族連れも少なくない。
担々麺・五目そば・炒飯・中華丼あたりが人気。
一品料理はそれほど出ていないようで
注文を入れると、お運びの娘さんがうれしそうにニッコリ。

締めのラーメンは、ややちぢれた中太麺に
懐かしの醤油スープがほどよくからむ。
ナルト・シナチク・ほうれん草のトリオに
チャーシューは肩ロースを使用。
そば屋で飲むのも嫌いではないが、
酔客のざわめきから解放される中華そば屋がとても好き。


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