「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第42回
真夏の夜の 天ぷら三昧 (その1)

月刊「おとなの週末」の自分のコラムで
「一人ランチでお好み天ぷら」と銘打ったため、
その取材に「天ぷら逢坂」を訪れたのは、ほぼ1年前。
土曜の昼のこととて、酒は飲まず、
揚げられる天ぷらと一緒に、最初からごはん。

トップバッターの車海老の火の通しに早くも感服。
この瞬間しかないという見切りで
油から引き上げられたミディアムレアの車海老は
甘みが際立ち、塩だけで味わうのが一番。
カラリと揚がったアタマも香ばしい。

続いての活けきすと、めごちにも文句のつけようがない。
火傷しそうになった小玉ねぎのお次の絹さやが白眉。
絞り込んだオコーディオンのように
7〜8枚の絹さやを重ね、爪楊枝を通して揚げる。
すぐに熱が通ってしまう絹さやに歯応えを残すには
この揚げ方がベスト。発案した店主に拍手だ。
蓮根・あおりいか・穴子と継ぎ、
炊き立てのごはんを味噌椀と新香で食べて、破顔一笑。
4千円のお勘定にも大満足の土曜の昼下がり。

この店の天ぷらで酒を飲みたい。夜に再訪する。
基本的にコースは3種類。
松(6090円)は、天ぷらの前の刺身、
あるいは、あとの食事の二者択一。
ユニークにして、すばらしいアイデアだと思う。
カップルで出かけ、セクハラまがいの課長は刺身、
逃れようとする部下のOLが食事と、
スリリングな使い分けもまた楽しからずや。

竹(7875円)は、天ぷらが松と同じ内容。
それに刺身と食事の両方が付く。
おまかせ(9240円)は、竹にあわびなどの
リッチな天種が追加されるという寸法。
お好みは、松をいただいてから
お気に入りをアンコールするか
登場しなかった種をリクエストすることになる。

われわれ2人は竹をお願い。下記が口にしたものの全て。
サッポロ生中2杯 菊正冷酒1合 芋焼酎げんち3杯
お通し―松茸とほうれん草のひたし 湯葉あんかけ
刺身――真子がれいとそのエンガワ・鯵・ばふん海胆
天ぷら―車海老2尾・グリーアスパラ・きす・絹さや・
     稚鮎・小玉ねぎ・鱧梅肉大葉巻き・みょうが・
     穴子・赤伏見唐辛子
食事――車海老&小柱かき揚げ なめこ味噌椀
      白瓜新香 ごはん ほうじ茶
氷果−―グレープフルーツとメロンのゼリー寄せ

通常は生ビールのあとは焼酎に直行するところを
日本酒好きの友人につきあって冷酒を少々。
実はこれが酔いを早めるのだ。今夜は酩酊の予感がする。

          =つづく=


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