「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第49回
熊が馬肉で勝負する

馬肉が好きである。
馬は興奮のレースよりも、口福のロースが好きだ。
吉原大門前の「中江」と「あつみや」、人形町の「大和」、
森下本店初め、小石川や北千住にも支店のある「みのや」、
どこへでも出没して、桜刺しと桜鍋に舌鼓を打っている。

最近はフレンチやイタリアンでも
馬肉を扱うところが増えて、
ここ1ヶ月ほどで、東麻布の「ラ・リューン」と
恵比寿の「フレーゴリ」でも食べてきた。
「ラ・リューン」ではヒレ肉のグリエを生姜風味のソースで。
「フレーゴリ」はもはや馬肉専門店の様を呈しているから
刺身の盛り合わせ(ヒレ・ハツ・タン・バラ・タテガミ)、
ロニョン(腎臓)のスモーク、ハラミの炭火焼き、
アキレス腱とクチビルの煮込み、いろいろ試すことができた。
両店とも仕入先は本場・熊本だ。

神田東口の「新八」はこの界隈で名だたる居酒屋。
多少割高でも、酒・料理ともに一級品が揃っていて、
馬肉の各部位を盛り合わせた新鮮な刺身も食べられる。
最近の馬肉人気は、高タンパク・低カロリーの
ダイエット効果狙いもあろうが、食味の良さが主因だろう。

地下鉄千代田線代々木公園から徒歩1分の至近に
「熊吉」なる熊本料理の店があり、
勝負メニューの馬肉がすばらしい。
天草から直送される海の幸もなかなかだが、
どうしても注文する品々は馬モノ一辺倒。
新鮮な魚介は日本全国津々浦々、様々な港から到来しても、
馬肉は産地が限定されている。
ここではサカナを食べるヒマがないのだ。
オマケにわさびはニセわさびだしね。

まずは馬刺し盛り合わせ。
内容は、ヒレ・フタエゴ・三枚バラ・タテガミ。
フタエゴは腰の部分で、紅白のツートンカラーが鮮やかだ。
それに別注文のレバ刺しは忘れじの逸品。1人1人前を確保。
数に限りがあるせいか、このレバ刺しが一番美味しく感じる。
焼肉屋で食べる牛レバ刺しの比ではない。
ワンランク上の極上馬刺しは
高級部位の三枚バラとタテガミの2種盛りになるから
種類豊富で値段も安い普通盛りが絶対のオススメ。

ほかには馬のヒモ(カルビ)焼きと馬タン焼き。
どちらも噛み締め感を味わう料理。
馬肉のオンパレードじゃ飽きちゃうよという方は
骨付き大阿蘇鶏のもも鉄板焼き、あるいは唐揚げはいかが?

平日の19時までに入店し、2時間以内に退店すれば、
20%オフの特別サービスの恩恵に与ることができる。
都内屈指の馬肉店で、この特権を使わぬ手はない。


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2006年9月7日(木)

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