「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第60回
神谷伝兵衛の遺産  その2

17時ちょっと前にディナー会場の
「レストラン キャノン」へ。
昼メシ抜きの面々、口には出さぬが、
腹はペコペコのハズだ。

セラーで赤ワインの試飲を終えているので
今さらシャンパーニュでもあるまいと
シャトー内の工場で作られた
地ビール「ヘレス」で乾杯。
茨城県で最初の地ビール工場は
すでに10年の歴史を刻んでいる。

ワインの選択を任せられ、
おもむろにワインリストを開く。楽しみ、楽しみ。
最初に白のシャブリ・カミヤスペシャル‘04年。
ブルゴーニュから樽で空輸され、
当「シャトー・カミヤ」で瓶詰めされた
スッキリとドライなシャルドネ種のワインは
残暑和らいだ初秋の口開けにはうってつけ。

同時に赤の抜栓もお願いしておく。
ルペ・ショーレのニュイ・サン・ジョルジュ‘96年の
しかもプルミエ・クリュ(1級畑)、これを2本。
そしてシャトーのオーナー、オエノングループが
独占輸入しているクロ・ド・タール‘98年。
第二次大戦以前は、あのロマネ・コンティをしのぐ
評価を得ていたモメサン社の銘酒中の銘酒だ。

さて、腹をすかした狼たちがお待ちかねの料理。
H隈シェフの手になる
フレンチのフルコースの内容は以下の通り。

 オマール海老と帆立のサラダ仕立て・アセロラ風味
 仏産フォワグラのポワレ・茄子のコンフィ添え
 じゅんさいを浮かべた江戸崎かぼちゃの冷製ポタージュ
 大洗港に揚がった金目鯛とあわびのソテー
 お口直しの桃のグラニテ
 常陸牛ロース肉のステーキ・黒トリュフのソース
 フロマージュとデセール、そしてプティフールとカフェ


相当なボリュームに途中下車するもの続出と思いきや
一同、食べるわ、食べるわ、
普段は身を置けぬ快適な環境にも後押しされ、
ほとんどのメンバーが完食の快挙。

金目とあわびの1皿が美味しかったが、
やはり女性陣にはフォワグラのポワレ、
男性陣には常陸牛のステーキが
圧倒的な支持を得ていたように思う。

料理もさることながら、特筆すべきはワインの値付け。
ニュイ・サン・ジョルジュは9500円、
クロ・ド・タールが16000円ほどなのだ。
これでは卸値と変わることがない。
牛久駅から歩いても5分そこそこ、
クルマでは飲めないから、電車で出かけて
格安の銘醸ワインに酔いしれよう。

 
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2006年9月22日(金)

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