「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第68回
さゆりの好きな 焼き鳥屋

神楽坂の毘沙門天の近くに
地元で超人気の焼き鳥屋「文ちゃん」がある。
予約必須の店なのに、予約なしで訪れて
スゴスゴ引き返す客が、何と多いことよ。

切り盛りするのは主人の文ちゃんと
若い衆が2人の計3人。女っ気はまったくない。
カウンターの一番奥の席に3人で落ち着いた。

ふと見上げると、壁に1枚の色紙。
「鴨茗荷 星なき小店に 意地があり」
筆を取ったのは作詞家の吉岡治。
隣りに石川さゆりの名前も並んでいる。
「天城越え」の名コンビだ。
弦哲也も加えて、名トリオと呼ぶべきか。

卓上には小さなサラダと大根おろし、
エシャレットときゅうりのスティックも。
焼き鳥はコースとお好みの二段構え。
迷わずお好みをお願いし、ほかの2人はコースで。

生ビールはスーパードライとエビスの二本立て。
良識ある飲食店はこうでなくっちゃ。
店主の好みの押し付はいけないし、
ビール会社の営業担当の言いなりもいけない。
合いの手には鳥わさを注文。
同時に頼んだ新香は忘れちゃったみたいだが、
こちらも忘れてしまって、今思い出した次第。
ビールのあとの芋焼酎は鹿児島の桜島。
芋らしいオーソドックスな口当たりが快い。

お好みでいただいた焼き鳥は以下の通り。
 れば・はつ・ぶつ(ねぎま)・ぺた(ぼんじり)・
 みちほる(卵管)・鴨松茸・すきみ(せせり)・
 ひざなんこつ
みちほるは、他店では未熟卵のキンカンをぶら下げ、
ちょうちんの名で親しまれるもの。ここはキンカン抜き。

ほかに、砂肝・皮・手羽・鴨田楽など
1片ずつツレからおすそ分け。
焼き鳥はすべて塩で、タレは一切使わない。
鴨田楽のみ例外的に味噌。

色紙にもあった鴨茗荷は惜しいことに
売り切れだったが、どの串もハズレがなく、
はつ・ぺた・すきみがベストスリーかな。
鳥スープで締め、評判のお茶漬けは
2軒目が近所の鮨屋なので我慢する。

新装なった「かぐら坂新富寿司」を訪ねてみれば、
何と法事のために、臨時休業の肩透かし。
今さら「文ちゃん」に舞い戻って
お茶漬けというワケにもいかないしなぁ。

 
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2006年10月4日(水)

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