「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第70回
厳選洋食とは 大げさな!

ビルの7〜8階を占める「厳選洋食さくらい」。
住所は湯島3丁目ながら、湯島天神下より
上野広小路からのほうが、ずっと近い。
銀座線同駅、大江戸線上野御徒町が最寄り駅。

それにしても「厳選洋食」とは大仰な。
店のHPをのぞいてみると
「昔ながらの洋食に、今様を織りまぜながら
 素材を吟味して厳しく選び抜いた。。。
 そんな厳選洋食をゆっくりとお楽しみください」
とあった。肩肘張って洋食を食べるようで
店名・キャッチともに感心しない。

4年ほど前。開業間もない時期に初訪問。
小皿コースとアラカルトで攻めてみた。
小皿コースは、小鮎のエスカベッシュ・
うなぎのテリーヌ・ローストビーフ・
ロレーヌ風キッシュなど前菜5点盛り、
魚介類のマカロニグラタン、小オムライス。
アラカルトでは、地鶏レバーのペースト、
稚鮎フライ、牛ヒレのステーキ。
これをブルゴーニュの赤、
ジゴンダス‘97年で味わった。
地鶏レバーと稚鮎フライがその日の秀作。

上野・御徒町界隈にとんかつ屋は多くとも
傑出した洋食屋がなく、いい店を見つけたと
ひそかに、ほくそ笑んだ次第。
カウンター席はオープンキッチンの禁煙席。
窓際のテーブルが喫煙席。
タバコを吸うか、吸わないかだけでなく、
調理場の動きを追うか、夜景を楽しむかの
選択も考慮しながら、席を選ぶことになる。

一日中、雨の降り続く日の夜。
旧知の友人と上野松坂屋で待ち合わせ。
酒を飲めぬ相棒のために、
近くのとんかつ屋か焼肉屋で
いきなり食事という手もあったが、
ふと思い出したのが、この厳選洋食。
雨の日に徒歩1分とは救われた。

メニューの幅が広がったような気がする。
ジンジャーエールのツレを尻目に
瓶ビール・グラスの赤・芋焼酎と飲み継ぐ。
季節の松茸コロッケは芋コロッケの中に
小さな松茸が入っているだけ、何の変哲もない。
相変わらず地鶏レバーはグッド。
砂肝とハツのガーリック炒めは砂肝ばかりに失望。
ハーフサイズ・メニューが多いのはありがたい。
ビーフシチューもチキンカレーもハーフを頼んだ。

飛びぬけたものはないが、バランス感覚に優れた
使い勝手の良い店であることは確か。
年中無休なので、上野の森の帰りにでもどうぞ。

 
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2006年10月6日(金)

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