「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第72回
大手を振って 靖国参拝

安倍晋三首相は靖国神社を参拝しないとは
口が裂けても言えないと主張しながらも
当面は参拝を控える意向のようだ。
懸案の対中外交問題には迅速に対応して
中国訪問もはたしたことだし、
まずは順調な滑り出しといったところか。

安倍さんの代わりといってはおこがましいが、
靖国神社を参拝してきた。
物事を深く突き詰めずに、ただ拝んできただけ。
国を率いる公人と違って、無名の私人はラクなものだ。
なじみの浅草寺にお参りしてるような感覚で
手を合わせ、頭の中は何も考えちゃあいない。
いずれにしろ昭和天皇のメモのおかげで
次第に世論もA級戦犯分祀の方向に流れてゆくだろう。

小糠雨の中、神社に立ち寄ったのは
たまたまその夜の食事が九段坂上の
イタリア料理店「トルッキオ」だったから。
肯定的な批評を再三耳にしていた店で
訪問はむしろ遅すぎたくらい。
地下への階段前にあるメニューボードには
惹かれる料理が何品も。こいつは楽しみだ。

思ったより小ぢんまりとした店内は
席数のわりにスタッフは多い。
ソムリエは女性で、好みのワインを伝えると
ネッビオーロ・ダルバとバローロ2種、
計3本がテーブルに置かれる。
選んだのは、バローロのマリアルンガ‘01年
カスチーナ・ブルーニ。これが6800円。
モダンにして軽やか、
魚料理にもそっと寄り添ってくれるタイプで、
これは当たった。

続いてシェフ自ら食材の説明にお出ましだ。
氷上に並べた魚介類、それに茸と野菜のバスケット。
魚介はすべてその日の朝、焼津港に
揚がったもので、つぶらな瞳がウルウル。
赤座海老・角長海老・帆立貝・じんどういか・
いとより・鬼かさご・ひげ鱈・赤むつ・黒むつ。
このデモンストレーションのせいで
主菜はサカナに決まったようなもの。

茸は、あわび茸・たもぎ茸・山伏茸・本しめじ・
白舞茸・椎茸・エリンギなどなど。
野菜が、白アスパラガス・アーティチョーク・
縮緬キャベツ・フルーツトマト。
イチヂクと季節を迎えた栗の実も。

さあて、どうしよう。
一時期、同僚だったツレと企画会議に入る。


       =つづく=

 
←前回記事へ

2006年10月10日(火)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ