「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第83回
「亀戸餃子」は想定の範囲外 (その1)

その日は市ヶ谷・四谷あたりでランチをと
JR浅草橋駅で電車を待っていた。
もちろん新宿方面行きのホームにて。
折悪しく、飯田橋駅で発生した車両故障のために
ダイヤはかなり乱れている。
電車はしばらく来そうもない。

ぼんやり西の空を眺めていると
千葉行き電車が反対側のホームに
滑り込んでくるではないか。
階段付近にいたこともあり、
とっさに閃いて階段を、上り降りではなく、降り上り。
なんなく下り電車に乗り込んだ。

何のアテがあるでもなく、気ままに亀戸で下車。
総武線の北側を平行して走る商店街を物色する。
地元の人には申し訳ないが、
どうもパッとしない通りで
これといった店が見つかりそうもない。
新規開店したステーキハウスの前では
若いスタッフによる呼び込みに遭遇したが、
ランチにステーキは食べないんだ、ゴメン。

この街で困ったときには、亀戸天神ならぬ
「亀戸餃子」にすがるしかあるまいと、
角を左折して、横丁に入り込む。
家を出たときに漠然と想定していたのは
四谷「すし匠」のばらちらし、
「エリーゼ」のオムライス、
麹町「秋本」のうな重と、ザッとこんなところ。
まさか反対の方角で、餃子を食べることになろうとは
まったく想定の範囲外。

「亀戸餃子」の並びの数軒手前、
「萬清」なるとんかつ屋に目が留まった。
秋葉原の「肉の万世」とはもちろん無関係。
店先の案内には食肉卸業者の直営店で
TVでもたびたび紹介された店とある。
こういう謳い文句に乗るほうではないが、
日本テレビの「ぶらり途中下車の旅」でも
放映されたとあって、嫌いではない番組につき、
それならばと餃子屋さんの代わりに入店。

品書きは、定食仕立てのセット料金で
ロースかつ・串かつ・豚肉生姜焼き・
かにクリームコロッケが750円均一。
かつカレー・かつ重・味噌かつ丼は800円。
ヒレかつで1100円。ヒレはともかく
ほかはおおむね「墨東価格」が適用されている。
黒豚横綱ロースかつという看板商品は2000円と強面。

初めてのとんかつ屋では
フツーのロースかつを注文するのが常。
街場の中華屋でラーメンを頼むのと同じことだが、
はたして750円のロースかつセットは
期待に応えてくれるのかな。

        =つづく=

 
←前回記事へ

2006年10月25日(水)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ