「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第92回
オトコが宝塚を観て どこが悪い! (その2)

まぐろ中落ちと鯨の竜田揚げが
二大名物の「佃喜知」だが、
酢の効いた小肌の酢洗いも、さりげなく旨い。
最近は酢の踏み込みの浅い店や
酢よりも塩が勝っている店が多いなかで
キッチリとした江戸前シゴトは貴重だ。

店主は数ヶ月前に突如、一夜にして
暖簾をたたんだ日本料理の老舗「出井」の出身。
確かな腕の裏づけがあるというものだ。
それにしても「出井」の閉店には驚かされた。
銀座の大店は、みな集客に苦労している様子。
今は人気の有名店で修業ののち、
独立した若手料理人の全盛時代なのかもしれない。

シーズンを迎えた牡蠣の味噌バターと
来たからには外せない鯨の竜田揚げで
芋焼酎の吉酎と白波を1杯ずつやって
お勘定は5千円とちょっと。
観劇前の、軽い晩酌と腹ごしらえにはお誂え向きだ。

日比谷に取って返して宝塚。
当夜の出し物は「愛するには短すぎる」。
「タイタニック」のような出だしだったが、
単なる船上の恋物語。あまりデキはよくない。
むしろ第二部のレビュー
「ネオ・ダンディズム」のほうが、はるかに楽しめた。
いきなり、南佳孝の「パラディーソ」で
始まったのには意表をつかれながらも、いい選曲。

終演後に真っ直ぐ帰宅などというツキアイの悪いのは
誰ひとりとしていない、われらが飲み仲間。
有楽町のガード沿いに直行する。
深い時間でも、この界隈ならかなりの選択肢がある。
ただ、宝塚のあとで、居酒屋やもつ焼き屋では
あまりに興をそぐし、ドイツ風のビアガーデンもなぁ。

結局は「鉄兵」という名の炭火串焼きの店へ。
多少小ぎれいでも、もつ焼き屋とそれほど変わらんか。
有楽町店とあったから、店員さんに訊ねると
神田駅前にもう1店舗あるとのこと。

酒は取りあえずアサヒの中ジョッキ。
そして麦焼酎・博多の華。
ロックでやったが、樫樽の香り高く、なかなかのものだ。
オフィスからの直行者が数人いて
その連中はお腹ペコペコにつき、一気に注文する。
各種串焼きをメインに、冷やしトマト、
じゃが芋コロッケ、海鮮ビーフンなどなど。

宝塚は初めてという男性陣も
レビューの華やかさには、いたくご満悦。
焼酎の酔いも手伝ってか、意気盛んだ。
そうだ、そうだよ、
オトコが宝塚を観て、どこが悪いもんですか。

 
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2006年11月7日(火)

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