「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第100回
担当者 不在の際は ご勘弁!

早いもので、この7月から綴り始めた
「食べる歓び」も今日でめでたく100回目。
このコラムを開いてくれる読者の皆さんには
ここにあらためて感謝いたします。

浅草きっての繁華街、六区を北に抜けると、ひさご通り。
そのまたひさご通りを抜けると、千束通り。
吉原方面に続く道は途中から右に大きくカーブする。
通りの入り口に立って前方を見やれば、
遠くに「末ッ子」のカラフルな看板がこちらを向いている。
観音裏では名の知れた餃子専門店は、昭和34年の創業。

店のパンフレットによると
丹精込めた手作りの皮に
野菜7割・肉3割の、あっさり、しっとりの具が持ち味。
自慢の餃子を「こころ意気餃子」と称するのだそうだ。

確かに初めて食べたときは
「亀戸餃子」より美味しかったくらい。
キャッチコピーにたがわぬ出来映えだった。
それが最近、かなり甘みを増してきたように思う。
具に砂糖でも混ぜているのだろうか
甘さが気になって、魅力が半減した。
ただ、名代は餃子でも「亀戸餃子」のように
それ一辺倒ではなく、ほかのメニューも豊富なのが救い。

肩ロースのチャーシューや
ガツのにんにく炒めはビールに最適。
きざみねぎたっぷりのピータンは
紹興酒との相性が抜群だ。
ほどほどに飲み、ちょこちょことつまんで、
ケレン味のない中華そば風のラーメンか
豚肉と野菜いっぱいのタンメンで仕上げれば、
使い勝手はよろしく、利用価値の高い店なのだ。

メニューを眺めていて、ものによっては
蛙マークが付いていることに気付く。
酢豚・鳥の唐揚げ・鳥の豆板醤炒めと
五目そばにもマークがあった。
オススメ料理なのかと思っていたら、
あにはからんや、但し書きにこうあった。
「品物担当者不在の時には
注文を承れない場合がございます」
ふ〜ん、長年いろいろな飲食店に出入りしてきたが、
こういうのは初めての経験だ。
酢豚はともかく、鳥の唐揚げや五目そばなど
誰にでも作れそうなモンだがなぁ。

いずれにせよ、どこの店でも
担当者が不在の時には
売り切れとかなんとか、適当にごまかすものを
ハッキリと宣言するところが潔い。
すぐ裏手には花の吉原を控える場所柄、
昼の営業をしない代わり、夜は午前1時まで開けている。
行きがけに精をつけるのを止めはしないが、
にんにく臭い客がモテたためしはありません。

 
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2006年11月17日(金)

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