「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第101回
葛飾のカツは 「喝」しか知らない

松戸の先の八柱霊園に墓参りの折り、
柴又の帝釈天に立ち寄って
草だんごをつまんだハナシは先日書いた。
その日、昼食を取ったのが金町の「とんかつ喝」。
TBSテレビ日曜朝の番組、サンデーモーニングを
想起させる店名がなかなかユニークだ。
大沢親分と張さんの「喝だ!」である。

山の手はもちろん、下町界隈に住んでいても
あまり耳にしたことのないとんかつ屋は
葛飾あたりだと、そこそこの知名度があるらしいが、
ほとんど無名店といってよい。
駅にほど近いバス通りに面したビルの2階にあった。

ロースカツは脂身がかなりの比重を占めている。
苦手な人は持て余すだろう。
とんかつはヒレよりロースという方は
何の苦もなく楽しめるハズだ。
脂は甘みに満ちて、なおかつまろやか、
それほどのクドさはない。美味しくいただいた。

究極のカニコロッケは
究極を謳うだけのことはあり、
かに肉タップリの本物志向、
満足のいくものだった。単品で1個820円也。

生がきが2種類揃って
岩手の広田湾産が1粒370円、
宮城の石巻湾産は290円。
昼に酒は飲まないから生は見送り、
1個350円のかきフライにする。
こちらは広島産。小さめのを5〜6個、
ひとまとめにして揚げてあるので
見た目はコロッケのようだ。
こうすると、とてもジューシーなフライになる。

揚げもののほかに激辛カレーがもう1つの人気商品。
カレーライス以外に小さなポーションの
ソースのみでも注文可、それにしておく。
少々粉っぽさが舌に残るが、
洋食屋の水準はクリアしている。

珍しいのはサラダバーならぬ漬物バー。
野沢菜・しば漬け・ピリ辛きゅうり・かぶ塩漬けに
ひじきの煮物なんぞも並んでいた。むろん食べ放題。
炊き立てのごはんは悪くない。
口に合わなかったのは、なめこと三つ葉のお碗。
苦味が前面に出てくるタイプの赤出しは
おそらく使用した八丁味噌のせいだろうが、
これならば、普通の豚汁のほうが、どんなにありがたいか。

揚げ手が主人で、ホール担当が奥さんだろうか、
サービスは丁寧にして親切。
おしぼりを食前と食後、2回だしてくれるのがうれしく、
高級感はあっても、心配りに欠ける都心の
フレンチやイタリアンはぜひ、見習ってほしいものだ。

 
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2006年11月20日(月)

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