「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第104回
今年のボジョレ・ヌーヴォーやいかに!

ちょうど1週間前の木曜日。
今年のボジョレ・ヌーヴォーの解禁日。
銀座コリドー街のフレンチ・レストラン
「ル・シズィエム・サンス」にて催された
お披露目パーティーに出向いた。

毎年恒例の行事なのだが、好評につき、
年々出席者も増えて、おおにぎわい。
地下にあるワインセラーに囲まれた
VIPルームなど立すいの余地もない。

石原都知事の誕生日を祝う
ファミリーディナーのために
息子の良純クンがおさえた部屋で
都知事もさぞやお気に召すと思いきや
「なんか牢屋でメシ食ったみたいだな」
食後に、こうのたまわれたそうだ。
あの人の性格は死ぬまで変わるまいが、
なんか「言いえて妙」と言えぬこともない。
映画「東京タワー」でも
黒木瞳と岡田准一がここで食事をしている。

さて今年のボジョレ・ヌーヴォー。
モメサン、ルペ・ショーレ、ドミニク・ローラン、
異なる三社の造り手はいずれ劣らぬ実力者。
ヌーヴォーとヴィラージュ・ヌーヴォーを
それぞれに楽しんだ。

共通して感じるのはまろやかな甘み。
ガメイ種独特の下世話な酸っぱみが
オブラートに包まれたかのようにおとなしい。
舌を刺激するトンガリもほとんど感じさせない。
この日は珍しくスケジュールに追われ、
あわてて駆けつけたので
一日の仕事のあとのビールを飲んでいない。
料理ボードのオードヴルはおろか
カナッペすら口にせず、いきなりのヌーヴォー三昧。
味蕾が敏感になっているから
普段は気付かぬワインの個性が舌を直撃している。

何かつまみがほしいなぁと思いつつも
友人・知人との談笑に忙しく、
たびたびグラスを重ねているうちに
いつしかそれも気にならなくなり、
敏感だった味蕾はどこへやら、
単なる飲んだくれに変身していった。
それでも、断言しましょう。
「今年のヌーヴォーは当たり!」だと。

一足先に会場を出た飲み仲間から電話が入り、
合流したのは東銀座のおでん屋「かめ幸」。
「お多幸」系の色濃いおでんは純関東風だ。
もともと好きなタイプの店は
刺身や鳥わさに添えてくる本わさびがうれしい。
黒豚の串カツでサッポロ黒ラベルの生をやり、
芋焼酎の黒伊佐錦に切り替えて、腰を落ち着ける。

 
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2006年11月23日(木)

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