「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第107
行かなきゃいけない 銀座の名店 (その1)

メイン・ストリートの銀座通りや
銀座で一番ロマンチックな並木通りは
欧米の有名ブランドに席捲されつくした感あり。
日本人として一抹の寂しさを禁じえないが、
おかげで銀座という街が
グローバルに認知されたわけで
東京の顔としての存在を
半永久的に保証されたようなもの。
今日から数回にわたって
気に入りの銀座の名店を紹介していきたい。
それもあまりマスコミが取り上げない店々を。

銀座といえば、何を差し置いてもまずは鮨。
数奇屋通りの1本日比谷寄り、
泰明小学校前から入る裏道に
ひっそりとある「奈可久」。
ビールでも酒でも、飲みものを頼むと
サッと出されるつまみが天豆と蛸の桜煮だ。
この店の定番で、1年を通して切らすことはない。
繊細なシゴトが売りで、きす・春子・小肌は
つまんでよし、にぎってよし。
にぎりの代わりに小さなバラちらしを
こしらえてもらうのもまた楽しい。

4丁目の交差点は日産ショールームの裏手。
ビルの地下1階にある「旭川すし久」。
同じビルの階上には中野坂上から
移転してきた「鮨さわ田」も入居している。
旭川の店をたたんで、東京に進出してきた。
サカナはやはり北海道産のものがいい。
きんき・八角・北寄貝・ばふん海胆は
一通りカバーしておきたい。
にぎりでは青柚子を当たった蛸が白眉。
絶対に外せない、この店のスペードのエース格。

天ぷらは「天朝」。
銀座1丁目の新富町に近いところにあって
8丁目の「天あさ」とはまったくの無関係。
お昼の天丼(1500円)がイチ推しだ。
昼に鮨屋は滅多に行かぬが、
天ぷら屋は昼と夜の比率が半々。
夜に天丼はあまり食べないので
その反動からか、昼は天丼が多くなる。
海老が2尾にきすが1尾と穴子が半尾。
野菜は、ししとう・はす・小なす。
主役然と鎮座するかき揚げは好まないから
その不在がありがたい。

鮨の「奈可久」近くの「天冨良いわ井」も好き。
昼としては少々値の張る
天丼(2500円)、天ぷら定食(3000円)もいいが、
どちらかというと、夜に訪れたい1軒。
殊に春先はオススメ。
バラ揚げの白魚、木の芽をあしらった新竹の子は
店主の個性が如実に表れて
忘れがたき天ぷらと相成った。

 
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2006年11月28日(火)

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