「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第108回
行かなきゃいけない 銀座の名店 (その2)

鮨と天ぷらのお次はうなぎ。
残念なことに銀座はある意味、うなぎの不毛地帯。
これは銀座が比較的新しい街であることを証明している。
東京のうなぎは日本橋と浅草が二大エリア。
あとに続いて、神田と荻窪といったところか。

そんな中で気を吐いているのが「竹葉亭」。
汐留寄りの本店よりも三越のはす向かいの
5丁目店のほうが使い勝手がいい。
ただあまりにも有名な店につき、
今回紹介するのは「ひょうたん屋」。
けして無名店ではないが、
メディアにはそれほど登場しない店だ。
この店は「竹葉亭」とは逆に、
6丁目の支店ではなく、1丁目の本店を推したい。

ここのうなぎは関東風に
背開きにするものの蒸しは入れない。
言ってみれば、東西折衷型のうなぎなのだ。
これが滅法旨いから不思議だ。
うなぎの蒲焼きはトドのつまり、
焼き魚であったことを実感させてくれる。

そばはどうだろう。
うなぎほどではないにせよ、
味・サービス・雰囲気と三拍子揃う店はないに等しい。
世に知られすぎてはいるが、「泰明庵」は外せない。
ただし、そばが秀でているのではなく、
夕暮れどきに一杯やるのに好都合のそば屋さん。
千円とちょっとの刺身盛り合わせなど
この品物でこの値段?というほどに安価にして良質。
少々狭苦しくとも、訪れて損はない。

もう1軒はすぐそばの「銀蕎麦 國定」。
オープンして2年に満たない新鋭店は
そば・酒肴ともに極めて秀逸。
ここ数ヶ月、評論家の山本益博さんが取り上げて
客足がグーンと伸びているようだ。

銀座では鮨と並んで水準の高いおでんは激戦だ。
おでんとしては高額店の「やす幸」から独立した
「田中」を真っ先に挙げておきたい。
寸分たがわぬとまでは言わないが、
「やす幸」と同レベルの味覚を
かなり割安にいただけるのは貴重な存在。
特に関西方面から出張で上京した
ビジネスマンの方々には重宝すること請け合い。

新橋が最寄りの「江戸源」(第7回参照)
忘れてならじの佳店と言ってよい。
昭和を懐古する向きには殊にオススメで
おでんもさることながら
白身の昆布〆や〆さばなど
さりげないものが、さりげなく旨い。
「まだ銀座にこんな店があったとは!」
興味のある方は、いつ閉めてもおかしくない
仕舞屋風の1軒に、お急ぎ下され。

 
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2006年11月29日(水)

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