「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第115回
その夜もまた 浦和イレブン

Jリーグの観客動員数では
ずっとトップを守っていたのに
優勝からは見放され続けていた
浦和レッズがようやく念願を果たした。
「20万ドルの足」杉山隆一が入団した
三菱重工時代から見守っていたチームだけに
感慨の深いものがある。

その夜。神楽坂の出版会館において
「かぐら坂新富寿司」の
開店50周年パーティーが催された。
「本日の主役」のたすきを袈裟がけに
名物女将のお婆ちゃんが迎えてくれる。

土地柄、粋な和服姿の女性が目立ち、
どちらがバンケットのホステスさんで、
どちらが招待客なのか区別がつかない。

宴会の目玉は今年三代目を継いだ孫の
R太郎自らにぎる鮨の模擬店。
どんなものかいなと
並んで順番を待っていると
「オカザワさん、今日は粉わさびで勘弁して下さい」
いきなり彼から機先を制されてしまった。
それは百も承知と、こちらは苦笑い。

当夜の鮨ダネは、すみいか・新子・平目に
まぐろの赤身と中とろ。
三重で揚がった新子はこの時期でも
小肌に育たずに新子のまま。
「かぐら坂新富」伝統の甘酢で軽く〆られている。
R太郎が「いいまぐろを仕入れることができました」
と自慢するだけあって、赤身も中とろも
とろけるようなテクスチャー、文句なしだ。

宴たけなわに盛り上がりを見せる頃。
舞台の袖にチビッ子が半被(はっぴ)姿で
ぞろぞろと登場。
浦和見沼太鼓子どもの部の面々だ。
見たところ、小学一年生から中学三年くらいまでか。
数えてみると女の子8人、男の子3人の計11人。
会場に太鼓の音が鳴り響く。

休むことなく、延々20分も続いたろうか。
バチ捌きも鮮やかに、轟き渡る迫力の音。
その間、一糸乱れぬとはこのことで
修練の賜物とはいえ、
子どもたちの集中力と技量には舌を巻いた。
まさに無法松も真っ青だ。
もともと太鼓は大好きだから
こんな余興なら毎日でも聴いていたい。

浦和レッズに浦和見沼太鼓、
この日は昼も夜も
浦和イレブンに魅了されつくして、美酒に酔う。

 
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2006年12月8日(金)

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