「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第137回
赤坂の夜を 珍店「黒猫夜」で (その1)

文芸春秋発行の「東京いい店うまい店」の
2007〜2008年版を眺めていて
「黒猫夜」なる中華料理店に目がとまった。
どこかの雑誌だったのか、
どなたかのブログだったのか、
記憶は定かではないが、
インパクトの強烈な店名だけは覚えていた。
ただ、レストランガイドの草分けと言っても
過言ではない本に、掲載されているのは意外。
そんなに有名な店だったのだろうか。

評価は低いものではない。
味・値段・サービスともに星が3つ。
「国内唯一の中国酒専門の酒菜館」
「中国全土のエグい味付けや珍味風味」
などの印象的な表記もあった。

「百読は一食にしかず」
さっそく出掛けてまいりやした。
忘年会シーズンたけなわの時期に
ダメ元で当日の午後に電話を入れると
予約がすんなり取れた。これもまた意外。

店は赤坂の繁華街の古びたビルの3階にあった。
それにしても赤坂って街は訪れるたびに
その表情を変えてゆく。
つい先日、池袋のサンシャイン60通りを歩いて
その醜悪さに仰天したものだが、
赤坂もまたしかり。なんという悪相だろう。
何はさておき、この街にはパチンコ店が多すぎるよ。
「♪ いま頃どうして いるのかしら 
     せつない想いに ゆれる灯影 ♪」
西田佐知子の「赤坂の夜は更けて」が懐かしい。

エレベーターを降りると、そこはすでに店内。
黒猫の提灯が三段重ねでお出迎えだ。
その時、店内には初老の男性がカウンターにただ独り。
ほどなくツレが現れたが、われわれを含めて客は4人。
その後も2卓が埋まっただけだった。
年末の掻き入れ時にこの有様では
相当集客に苦労しているようだ。

ビールはサントリーモルツの生のみ。
ぐるなびクーポンを持参すると
4種の紹興酒のテイスティングをさせてくれた。
これはとてもうれしい。
クーポンの提示が支払い時というのも良心的。
最初に提示の店が多い中、これはエラい。
なぜなら、悪質な店だとクーポンのサービスなど
結局はどこかで帳尻を合わせられてしまうからだ。
普段、ぐるなびクーポンは使ったことがないが、
この店はベツ。歓んで恩恵に与らせていただく。

前菜代わりの3点セットは、帆立のスモーク、
茄子の油煮のねぎソース、八角風味の焼き豚。
すべてにおいて味付けが濃い。
ピータンとパクチーサラダを頼んでおいて
ヴァラエティに富んだメニューの吟味に入った。

          =つづく=

 
←前回記事へ

2007年1月9日(火)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ