「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第139回
神楽坂 同窓会で 年忘れ

高校時代の同期生が9人つどっての同窓会。
同窓会に限らず、こういう会合があると
幹事役はベツとしても
店選びのお鉢はこちらに回ってくる。

大手居酒屋チェーンなどは
盛んに飲み放題と鍋料理を併せた
忘年会特別セットとやらで客を誘うが、
この類いは血気盛んな若者たちにお任せしたい。
それに加えて、和系の店では5〜6人なら
すんなりと1卓に収まることができても
10人近くになると、端と端とはお開きまで
言葉を交わせないなんて事態も起こりうる。

そこで今回は中華料理の丸卓に目を付けた。
白羽の矢を立てたのは神楽坂の「龍公亭」。
明治22年創業の老舗中の老舗は
ゆうに1世紀を越えていまだに健在。
すぐそばにあった洋食の「田原屋」が
とっくに姿を消したというのに立派なものだ。

1階には整然とテーブルが並んで
主に地元の常連さんが静かに利用している。
初老の男性がビールを飲みながら
夕刊紙を拡げたりもしている。
2階は丸卓中心の小宴会向き。
さすがに9人ともなると
2卓抱き合わせのテーブル配置となっていた。

コース料理を避けたため、独り早めに出向き、
アラカルトから選んだ料理は以下の通り。
前菜三種盛り合わせ(くらげ・焼き豚・蒸し鶏)・
ピータン・ニラ餃子・春巻き・豚トロの黒酢豚
牛ヒレ肉の黒胡椒炒め・油芯菜と赤ピーマンの炒め・
麻婆豆腐・海老焼きそば・ガーリックとレタスの炒飯
赤字が特に美味しかったもの。
押しなべて前菜が秀逸で、春巻きなどの点心は今一歩。
通常のロース肉を使用した酢豚もあったが、
今回はおすすめ料理の豚トロの黒酢豚にして正解。

全体に優しい味付けは化調を感じさせずに好印象。
ただ、もう一味、あとワンパンチがほしいところで
いささか踏み込みが浅いために
多少のもの足りなさが残るのも事実。

女性陣のほか、甘党の男性もデザートを取り、
ビールと紹興酒を含めて、お勘定は1人5千円。
大人数だからと面倒くさがらずに
アラカルトから選べば、かなり安く上がるものだ。

二次会場は近所の「かぐら坂新富寿司」。
翌日もこの店で小宴の予定だが、
ここの小上がりは団体客にうってつけ。
しかも、鮨は「別腹」なんぞと
のたまうオバ様もいて、みなの食欲は衰えない。

大女将は実に齢(よわい)85歳を数える名物婆ちゃん。
われわれの輪に加わってほどなく
ほろ酔い加減で得意の唄が始まった。
ここに1曲「まつの木小唄」の替え唄を紹介しよう。
「♪ キリンばかりが ビールじゃない
   アサヒもサッポロも みなビール
   だけどワタシの 欲しいのは
   今夜のアナタの く〜ちび〜る ♪ 」
これって、宴席で使えるでしょ?

 
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2007年1月11日(木)

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