「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第142回
ハープのあとのクリスマス・ディナー (その1)

中学時代の同級生に
ハーピストの石ア千枝子さんがいる。
去年三十余年ぶりで再会した。
同窓会の席上のことで、彼女を含めて
出席したメンバーのほとんどに
卒業以来ずっと会っていない。
以来、その仲間と飲み会や食事会で
頻繁に顔を合わせるようになり、
まるでかくも長き空白を
埋めようとするかのようだ。

とりわけ彼女が週に1度、
ハープを教えるために銀座に出てくるので
食事をする機会が増えた。
そしてわれわれが楽しみにしているのが
時折り開かれる彼女のコンサート。
城北エリアのレストランや小ホールが
会場となるのだが、毎回足を運んでいる。

天皇誕生日、いわゆるクリスマスのイヴ・イヴ。
荻窪のフレンチレストランで
プチ・ディナーショーが開催された。
「ある愛の詩」・「赤いサラファン」・
「古いノエルの主題によるヘ変奏」などに
耳を傾けたあとは
ムニュ・ド・ノエル(クリスマス・メニュー)。

シャンパーニュのカティエ・ブリュで幕を開ける。
最初の料理はアミューズ代わりの
レンズ豆のポタージュ。
小さなグラスにカプチーノ仕立て。
泡立つところをクイッと飲み干す。

白ワインはムルソー・ブラニイ‘00年。
軽い白しか飲みなれていない人は
その重厚さに目を見張る。
この力強さならば、食事の間中これだけで
押し通してもおかしくないほどだ。
ちなみに「ボン・シェール」の
エグゼクティブ・ソムリエは仁田秋夫さん。
彼のワイン講座は定評があり、
ボクも7年ほど前にセミナーに通ったことがある。
さすがのセレクトだ。

オマール海老と冬野菜のテリーヌには
ほんのちょっぴりキャヴィアが添えられている。
ダブル・オードブルなのでポーションは控えめ。
続いて、第二の皿が古白鶏とフォワグラのバロティーヌ。
これにはトリュフのソース。
筑波山麓で育った古白鶏は脂肪分が少ない代わりに
身肉に弾力があるのが特徴。
脂っ気を補うため、しっかりと鶏皮が付いている。
これが味に深みを加える上に
フォワグラが抱き込まれているから、旨み三倍増。
トリュフも香って、本日のベストと相成った。

           =つづく=

 
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2007年1月16日(火)

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