「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第145回
松村雄基のディナーショー (その2)

ディナーショーは何年ぶりだろう。
シンガポールで梓みちよを観たのが最後かしら。
だとしたら、20年近くも前のことになる。
ヒルトンホテルのクリスマス期間の
ディナーショーの出演者は
22日―由紀さおり   23日―梓みちよ
24日―前川清     25日―松村雄基
というラインナップ。
梓みちよの顔が見えるのも何かの縁か。

飲みものはキリンのクラシックラガーに
フランス南部の白・赤ワイン。
ディナーショーにはお約束のフリードリンクだ。
ほかにウェイターがウイスキーの水割りや
ソフトドリンクをトレイに乗せて持ち回る。

オードブルはスモークした鴨ロース。
フレッシュマンゴーのソースが添えられる。
これはまずまず。
続いてのクラムチャウダーには
根菜がふんだんに使われ、あさりの風味がもの足りない。
その代わり、貝類が苦手の向きも食べられそうだ。

メインディッシュはやはり牛肉。
メニューにはプライムビーフとあったが、
この名称ではローストビーフをイメージさせる。
実際に登場したのはフィレステーキだ。
万人に好まれる無難な献立ながら
ガルニテュール(付け合せ)の
人参・じゃが芋・ブロッコリーも丁寧で
300人もの客が集まるディナーショーの
主菜としてはじゅうぶんに合格点が付けられよう。
期待以上とも言え、素直に美味しかった。

マスカルポーネのシャロットとコーヒーで仕上げ、
卓上に赤ワインのボトルを1本置いてもらって
ショーの開演を待つばかり。
女性陣はお定まりの化粧室へと急ぐこととなる。

ギター・ベース・ドラムス・キーボードが
ステージでスタンバイ。
マイクを持った雄基が上手から登場した。
シルバーグレイのスーツに深紅のスカーフと
普段は見慣れぬ出で立ちも
けっこうサマになっていて一安心。

カラオケを通じて、彼の歌の上手さは承知している。
しかしステージは別物。
正直言って一抹の不安を抱えていたが、
それも杞憂に終わった。
むしろ問題なのは、われわれダメオヤジが
彼の歌をちっとも知らないこと。
タイトルとメロディーが
一致する曲が1曲としてないのだ。

それでも汗をほとばしらせての熱唱は
心に響くものがあった。
そして何よりうれしかったのは
この夜集結した客たちがこぞって松村雄基を
愛してくれているのを確信できたこと。
冗談ひとつ言えぬ律儀で真面目な性格が
芸域を狭めているやもしれぬと案じていたけれど、
この世に真心に勝るものは、ほかに何があろう。

 
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2007年1月19日(金)

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