「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第157回
薬膳カレーに ガク然とする

かねて気にはなっていたのだが、
訪れたことのない「薬膳カレーじねんじょ」。
お墓ばかりの町・谷中に本店を構え、
白山の白山神社入り口には支店のある
薬膳カレーの専門店だ。
あるいは本店・支店の分け隔てはないのかもしれない。
神保町の交差点そばにも見かけたが、
そちらはすでに閉店したようだ。

ぽかぽか陽気の週末に谷根千散策。
これぞよい機会と谷中店におジャマした。
すべて薬膳カレーのオンパレードで
食事におけるほかのメニューは一切ない。
いずれもなかなかのお値段。
野菜カレーが1397円、牛肉カレーは1838円。
特製カレーの2048円というのが最高値で
これは写真で見たところ、
博多ラーメンの全部入りに匹敵しようか。

ツレと協議の結果、
鶏肉カレー(1460円)と海鮮カレー(1733円)に決定。
飲み物がセットになっていて、コーヒー・紅茶に加え、
奥多摩の野草茶というのがあり、
珍しさも手伝ってそれにする。
壁の品書きには、数種類の紅茶に野草茶、
白玉あずきなども並んでいるから、
散歩のときの一休みに喫茶だけでも利用できそうだ。
キッチンとは呼べそうにない狭いカウンター内に1人、
フロア担当も1人、女性2人だけで運営している。

カレーソースはチューリンに入って来た。まずは鶏肉カレー。
あぶった鶏もも肉が2片、上には赤い枸杞の実が数粒。
鶏肉には煮込まれた形跡がまったくない。
ソースにはにんじんとじゃが芋が見え隠れ。
ライスの表面にクレソンの葉が数枚まかれている。
一口すくうと、何やら複雑な風味を感じるものの
インパクトはそれほど強烈ではない。
しいて例えれば、和風とインド風の中間路線か。
別段、これほどの料金を払って食べるほどの
カレーではないという気がした。

一方の海鮮カレーには
いろいろチョコチョコと具材が混在。
念入りにチェックしてみたら、
中くらいの海老1本に小海老が数匹、
かき・いか・ヒモ付き帆立が1つずつ、
あさりが数個に、かなりの量のわかめ。
ソースは鶏肉カレーとまるで同じ。
この店ではカレーソースは1種類しか仕込まない。
ずいぶんと楽チンな商売だこと。
貧相な魚介類も客をおちょくっている。
温め直したトッピングを
並べるだけのシロモノで、よくもこんな値段を
付けられたものだと、ガク然とした。

世の中にはいろいろなタイプの経営者がいるものだが、
多量の薬草・生薬を使うといっても、これではあんまり。
客はみな、カラダのためを思って我慢しているのだろうか。
高い料金を払い続けても結局は薬局、
「あるある大事典U」の二の舞にならぬ、
という保証はどこにもござらん。

 
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2007年2月6日(火)

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