「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第164回
天神下の大行列「大喜」のらーめん

近頃、少々ラーメンづいてしまった。
ここしばらく本郷・湯島・根津界隈に
出没する頻度が急増しており、
湯島天神下の交差点を行き過ぎることたびたび。
TVのラーメン特集では必ずといってよいほど
取り上げられる超人気店「大喜」の行列も
いく度となく目にしている。

行列はなるべく避けたいが、
並ばざる者、食うべからず。
背に腹は替えられぬ、とはまさにこのこと。
重い腰を上げ、あえて週末を避け、
おっとり刀で、月曜の昼に出かけてみた。
「大喜」は実に5年ぶりの訪問。

開店時間の11時半ちょい前に到着すると
早くも待ち人は、すでに30人あまり。
オイ!オイ!オイ!オイ!
頭にタオルを巻いた兄ちゃんが
並んだ客ごとに、何名様での来店か、
その人数を確かめている。
効率よく席に案内するためだ。

それにしてもこの店は
天神下交差点から数メートルの至近距離。
信号待ちの車の廃棄ガスが半端じゃない。
本郷方面からの坂下にあたり、
滞留するガスの濃度も高そうだ。
30分あまりも待たされて、キレイな肺も
さぞかし汚れてしまったことだろう。

店先の自販機で食券を購入して入店。
ほどなく登場したラーメンからは
魚介系の匂いがプーン。
スープにかなりの甘さを感じても
日本そばのかけづゆとはまったく異なり、
一振りの胡椒で気にならなくなる。
ただし、極細ストレートのしなやかな麺は
かけそばを食べているかのような感触だ。

具は肩ロースのチャーシュー2枚、シナチク、
焼き海苔、味付け玉子半個、そして貝割れ大根。
貝割れが細打ち麺によくマッチする。
貝割れが功を奏したラーメンは極めてまれ。
前回は気になったシナチクの化調も
ずっと控えめになった。

長時間待たされるのでは二の足を踏むものの
実に個性的で美味しいラーメンだと思う。
スッキリとした後味も中華麺と日本そばの
いいとこ取りをした印象。

まだまだ続く行列を尻目に不忍池へ向かう。
蓮池に戯れる水鳥の数がおびただしい。
マガモ・カルガモ・オナガガモに
キンクロハグロ・カイツブリが目立つ。
海鳥のユリカモメも相当数、飛来している。
このカモメのせいでカワウの数が減ったそうだ。

弁天島の裏手に櫛淵虚冲軒の碑を見とめた。
幕末の剣豪とあったが、何者だこの人物?
石段を上り、清水観音堂の脇を抜け、
正岡子規記念球場に差し掛かると
初老の男性が3人、木陰で尺八の稽古。
耳を澄ませて聞き入れば、
なかなかの音色を発しておりました。

 
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2007年2月15日(木)

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