「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第165回
すっぽん食べて精力増強 (その1)

最近、若い女性の間で
すっぽんが大人気の様子。
すっぽんが本来持つ食味よりも
豊富に含まれるコラーゲンが
お肌にいいというのがブームの火付け役。

赤坂の「さくま」、荻窪の「四つ葉」、
あるいは京都の「大市」など、
高級店への出入りはOLさんには
かなわぬ夢だろうが、
大衆的な鍋料理屋あたりでも
すっぽんを扱うところが増えて、
わりと気軽に楽しめるようになった。

森下と清澄の中間あたり、
「高橋(たかばし)のらくろ〜ド」にある
地元では人気のうなぎ屋で昼食後、
両国方面に戻る途中のこと。
本所松坂町の旧吉良邸にさしかかると
かなりの人出で賑わいを見せている。
道路脇には食べ物の屋台や古着市なども。

この日から2日間、吉良祭&元禄市と称する
イベントが開催されていたのだ。
前々日には高輪で義士祭が執り行われたばかり。
討ち取ったほうの祭りはつとに有名だが、
討ち取られたほうにも、祭りがあったとは。

何度足を踏み入れても吉良邸は見るものとてなし。
首洗いの井戸なんぞ、いかにも嘘っぽい。
まぁ、海外でもコペンハーゲンの人魚の像や
ブリュッセルの小便小僧は
訪れる者を拍子抜けさせる観光名所だから
吉良邸を訪ねるのも一興だろう。

隅田川に掛かる両国橋の東詰、
ちょうど猪料理の「ももんじや」の手前に
「神田川支店」がぽつねんとある。
明神下の「神田川本店」から
唯一暖簾分けを許された店だ。
ここはうなぎだけでなく、すっぽんも名物。
今年に入って、すっぽんを食べていないし、
この店のすっぽんもいまだ試したことがない。
これは近々、おジャマせねばなるまい。

1ヶ月ほど経過した頃、予約の電話を入れた。
すっぽん定食とすっぽん会席があり、
シンプルな定食をお願いした。1人前4200円。
ちなみに会席のほうは刺身や口変わりに
小鉢がついて6300円。
定食のボリュームが推し量れぬので
うなぎの蒲焼きか白焼きを追加したものかどうか
この時点では決めかねる。
ただ、貴重なうなぎの肝焼きは
あちこちの店で、売り切れ御免の
憂き目を見ているだけに
1人前2本、お取り置き願った。

いつまでも寒波の押し寄せる
気配すらない今年の冬の夕暮れ。
神田川が隅田川に注ぎ込む地点の柳橋を渡り、
そのまま両国橋を西から東に歩き続けて行った。

        =つづく=

 
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2007年2月16日(金)

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