「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第166回
すっぽん食べて精力増強 (その2)

ガラガラっとガラスの引き戸を引いて
両国橋東詰の「神田川支店」に入店。
玄関には石油ストーブが1つ。
年配の女将さんと若女将だろうか、
とにかくご両人に迎えていただき、
ストーブの脇を抜けて2階へ上がった。

8畳ほどの座敷に通されて
早速のビールはスーパードライの大瓶だ。
卓上にはうなぎの骨せんべいが1皿。
接客はすべて笑顔さわやかな
若女将が担当してくれる。
ほどなく運ばれたのは
日本酒で割ったすっぽんの生き血。
クイッと一気にやると、生臭さなどまったくない。
相方には山ぶどうの日本酒割りと伝えると
何の疑問も抱かずに飲み干した。
シアワセなヤツよの〜う。

突き出しは、天豆・蟹とくらげの白和え・
どぜう佃煮の3点セット。
天豆はごく普通。白和えには酢が効いている。
良かったのが、どぜう佃煮で
香川県あたりの養殖モノだろうか、
ミニサイズばかりが揃いも揃って
どぜう特有のクセがほとんどない。
これなら苦手な人でも食べられそうだ。

続いて待望のすっぽん鍋が登場した。
すでに湯気の立つ鍋の中には
ブツ切りのすっぽん、笹切りの長ねぎ、
えのき茸、焼き麩、生粟麩の5点のみ。
豆腐や白滝、青菜や白菜などは一切なし。
張られた出汁も塩仕立てのあっさりタイプ、
スープもしっかりと味わえる。
ちょいと熱めの燗にしてもらった
白鶴との相性もけっこうだ。
同じすっぽん鍋でも京都「大市」の
醤油仕立てとはずいぶんと趣きが異なる。

箸休め風に供されたうなぎの肝焼きが良質。
1本しかないのがうらめしいくらい。
こればかりは数尾から1本しか取れないのだから
わがままを言っても始まらない。
そう言いつつも、鍋もたっぷりあったし、
これから締めの雑炊もやってくる。
その夜はうなぎの蒲焼きを見送った。

ほどなく供された雑炊は相当の量があった。
「雑炊」だけに「増水」しちまったのかしら。
普段夜にはごはん粒を避けていても
いい出汁が出ているこれはベツ。
雑炊とお茶漬けの中間といった感じは
サラリとした好みのタイプ、珍しくお替わりする。
相方は早くも3杯目を楽しんでいる。

すっぽんの生き血・身肉・エキスを完食し、
おまけにうなぎの肝までやっつけて
なにやら体が火照ってきた。
こりゃ明らかに精力のつけ過ぎだ。
温まった部屋に冷気を入れるため、
障子を開けると、隅田の川風が肌に心地よい。
一緒に京葉道路の騒音まで
飛び込んできたのは余計であった。

 
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2007年2月19日(月)

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