「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第169回
株価急騰の高島屋を食べる (その1)

ちょうど1週間前の木曜日。
朝から本日分のこの原稿を書いていた。
毎朝の日課で午前9時になると
東京証券取引所の市場動向をチェックするのだが、
この朝、目を奪われたのは大手百貨店の軒並み高。
'06年第四半期のGDP速報値の上振れによるもので
朝っぱらから消費関連株がいっせいに買われている。

殊に業界売上高1位の高島屋は
市場が開いてもなかなか値が付かず、
9時15分になっての寄り付きは
いきなり104円高の1640円。
終値も154円高の1690円と
上げ率・出来高・売買代金ともに同業トップ。
前日の日経新聞に、向こう5年間の投資額が
ライバル他社の水準を大きく上回ると
大きな記事になっており、
値を飛ばすには絶好のタイミングとなった。

普段から仕事場に近い日本橋の
高島屋と三越はよく利用している。
使うクレジットカードは高島屋のVISA、
入会しているのは「三越友の会」と、
立場は極めてニュートラル。

両者を比較してみると、
よく訪れるデパ地下は高島屋の圧勝。
あまり行くことのない階上のフロアは
三越に軍配を挙げたい。

日本橋高島屋の食品売り場は都内随一。
生鮮食品の、とりわけ鮮魚の質と品揃えが際立つ。
湯島の名店「丸赤」も入居していて
鮮魚部門の充実に貢献している。

一方の三越でたまに買うのは
靴とタイとドレスシャツ。
2階の「カフェウィーン」は
気に入りのスポットで
芥子の実をまぶしたオーストリアのパン、
カイザーゼンメルが大好きだ。
1度味見をしたザッハートルテも美味しかった。

建国記念日の振り替え休日。
三越劇場にて仁科亜季子と香山美子が
競演する「祇園に生きる」を観劇。
脇をピシッと固めた舞妓の小ねこ役、
石原舞子の応援に仲間と駆けつけたのだ。
舞子だけに舞妓役はお手の物、
三味線はともかく、踊りはピカ一だから
安心して観ていられる。
贔屓の役者にハラハラさせられるのだけは
ご免こうむりたい。

原作・新藤兼人、監督・深作欣二の
映画「おもちゃ」を舞台に仕立てた作品は
テンポよく進み、観客をあきさせない。
じゅうぶんに楽しめたのだが、
どういうわけか、客席がヤケに静かだ。
拍手が少ないというか、反応が鈍いというか、
演舞場や明治座あたりのお客とは
違う人種の集まりなのかしら、と思うほど。
とにもかくにも幕は降り、
まだ16時前だというのに早めの打ち上げ。
一同、三越からライバルの高島屋に向かった。

         =つづく=

 
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2007年2月22日(木)

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