「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第170回
株価急騰の高島屋を食べる (その2)

5分歩いて、三越から高島屋に移動した。
総勢10名近くが宵の口から飲み食いするためだ。
ライバル同士を公平に利用して
あくまでもニュートラルな姿勢を崩さない。

三越で芝居を見物したのなら
有名レストランがごっそり入居している
新館にでも席を取ればいいのだが、
店々の顔ぶれが退屈の一言に尽きる。
「なだ万」・「筑紫樓」・「グリル満天星」と
フードコンプレックスの定番ばかり。
どうして猫も杓子も似たような店を入れるのだろう。
百貨店側のセンスが疑われても仕方がない。

その点、高島屋はエラい!
地階の顔ぶれは三越同様につまらぬが、
新館4階の「特別食堂」がいい。
「帝国ホテル」・「大和屋 三玄」・「五代目 野田岩」と
信頼の置ける実力店が3軒入って
しかも1つのテーブルで3店の料理を一緒に
味わうことができるのが最大の魅力だ。
ここには四半世紀もの長きに渡ってお世話になっている。
メンバーはその間、まったく変わらずに
不動のクリーンナップ・トリオを確立している。

16時すぎのことで、店内はガラガラ。
これなら心置きなく酒と食事と会話を楽しめる。
一同「帝国ホテル」のコンビネーションサラダで
ビールを飲みながら、しばし談笑。
ほどなく化粧を落とした石原舞子が合流して
思い思いの料理の注文と相成った。

オジさん・オバさんには「野田岩」のかさね重、
あるいは「三玄」のお弁当か和食セット、
若い女性には「帝国ホテル」の
レディースセットがそれぞれ人気だ。
かさね重は2段重ねの重箱の上段に志ら焼き、
下段にうな重と相当なボリューム。
例え昼飯抜きといえども五十路に足を
踏み入れた身にはツラかろうと眺めていたが、
みんなペロリと平らげたのはご立派。

さてお待ちかね(ベツに待っちゃいない!ってか?)、
J.C.の注文は最初に「三玄」の蟹クリームコロッケ。
これでスーパードライとブルゴーニュの赤をやる。
小ぶりなコロッケが2つだから、つまみにちょうどよい。
そして残りの赤を飲み続けながら
「帝国」のクラブハウスサンド。
これには細めのフレンチフライズがサイドに。

いつ訪れてもゆったりとした快適な空間は
デパートの食堂として都内随一。
料理の水準も高く、サービスも丁寧だ。
しかしながら、今回感じたことが2つある。
まず料理が冷たい。クラブハウスもそうだったが、
味見した志ら焼きもうな重も少々ぬるい。
志ら焼きに添えた良質の本わさびはさすがだ。
そしてもう1つはウェイトレスの一箇所集中配置。
ちょうどわれわれのテーブルの脇が
サービスラインの出入り口になっており、
そこに6〜7人の女性陣が全員集合。
みな一様に真っ黒のユニフォーム姿だから
黒山の人だかりとはこのこと。
これでは広い店内の端々に、目が届くまい。

 
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2007年2月23日(金)

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