「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第191回
古き良きベルリンのデカダンス (その2)

退廃的な雰囲気すら漂う
「ビストロ・ベルラン」における
前菜・主菜合わせて計7皿の詳細は以下の通り。

前菜:イタリア産スカンピ(手長海老)のグリル
   真鱈白子のソテー・トマト&ガーリックソース
   フォワグラのパイ包み焼き
   鹿肉のカルパッチョ・バラフ添え

主菜:黒むつのナージュ風・サフラン風味
   シャラン産地鶏と生ポルチーニのフリカッセ
   カナダ産仔牛フィレ肉のステーキ

初っ端のスカンピは8尾ほど盛り込まれていたが、
いかんせんサイズが小さく、
ほとんど食べるところがない。
駿河湾に揚がる立派な赤座海老の味を知ってしまうと。
なんとも味気なく、うらめしい気分に襲われる。

真鱈白子は逆にポーション大きめ。
3人でシェアしてもじゅうぶんの量があった。
カリカリに火を通したガーリックも香ばしく、
白子のコク味・トマトの酸味との
ハーモニーもなかなかのもの。
常々、和食店や鮨店の白子ポン酢には
ささやかな物足りなさを抱いていたので
これにはご満悦。

ブリオーシュのようなパイ生地に包まれた
フォワグラもしっかりとしたもので
ケチ臭さのかけらもない。
だんだんこの店が好きになってきた。

鹿肉のカルパッチョも
カルパッチョと呼ぶにはやや厚め。
ヴェニスン(ディアーミート)特有の
ヘモグロビンを感じさせる。
付け合せのバラフという緑の葉野菜が珍しい。
表面に水滴が付いているかの如く、
キラキラと光っている。

これより主菜。
黒むつはサフランの香りに満ちたスープ仕立て。
ナージュ風は水泳風とでも訳そうか。
ひたひたのスープに由来するネーミングだ。
火の通しの浅い黒むつは素材の個性が出ている。

シャラン産地鶏のフリカッセは
本来、シャラン産の鶉を使用する料理なれど
この夜は鶉の入荷なく、地鶏の代打ちとなった。
フランスのチキンにイタリア食材の
ポルチーニを合わせるところが
歐州料理店の歐州料理たる由縁。
添えられたバターライスがフリカッセを引き立てる。

仔牛フィレ肉はやや赤みが差しているものの
紛れもないホンモノの仔牛。
仔牛のように柔らかくきめ細かい
テクスチャーを持つ食肉はフィレよりも
骨付きのロースを味わいたいが、
贅沢は言っておれない。素直に美味しかった。

デセールはパスしてエスプレッソを1杯。
会計は1人1万円弱とかなり良心的。
もっともこのあと銀座に流れて飲み直し、
この数倍も支払うことになったのだが、、、

 
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2007年3月26日(月)

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