「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第192回
春分の日に 奇跡的な花見を

気象庁のデータミスで開花予想が
とてつもなく早まってしまった今年。
それに合わせて、春分の日に小石川植物園で
花見を計画してしまったのだった。
今さら恨み辛みを言っても始まらない。
10人ほどの参加者がいるのにリスケともなれば
少なくとも数人は不都合な人間が出てきてしまう。
前日の打合せで、桜が咲こうと咲くまいと
とにかく決行しようということになった。

男女半数ずつのメンバー構成。
女性軍は植物園からほど近い
クイーンズ伊勢丹で食材の調達。
と言っても、現場で料理をするわけではない。
すべて出来合いのつまみや前菜の買い求め。

枝豆・蓮根チップ・スモークチーズ・
焼き鳥・たこ焼き・漬物盛合わせのほか、
蟹寿司・焼き鯖寿司・いなり寿司と
ずいぶんとお寿司モノが多い。
オマケに鉄火巻き・かんぴょう巻き・
梅しそ巻き・納豆巻きと巻きものの
オンパレードもあったりして
やはり女性たちはごはん粒を食べないと
お腹が落ち着かないようだ。

男連中は酒を受け持つ。
本来、この植物園に酒類の持込みは許されない。
入園するときにもポリ袋の外から
透けて見えてしまった缶ビールを見咎められ、
切符もぎりのオバちゃんに注意されてしまった。
「去年も叱られましたが
なんとか許してもらいました
来年からは気をつけます」
と反省の色を見せて、お目こぼしいただいた。
ハナシが判るというか、心優しいオバちゃんに感謝。

おのおの、好みのままにビール・酎ハイ・
紹興酒・ロゼ&赤ワインを持ち込んだ。
以外なのは誰一人として日本酒を
ぶら下げてこなかったこと。
翌日は朝から仕事が控えている身、
例え花見といえども二日酔いの根源は
ハナから断ち切っておこうという見識だ。

ちょうどこの日から寒風がおさまり、
絶好の花見日和となってはいたが、
肝心の桜がちっとも咲いてやしない。
まぁ、風もなく温かな陽射しの昼下がり、
楽しく飲めれば御の字と、
集まった飲み助たちなのだが、
日頃の行いの賜物か、園内でたった1本だけ、
三分咲きの桜の木を発見することができた。
ほかにはゴザまで敷いて花見に興ずる人とてなく、
その桜の下を占有する幸運に恵まれた。

花をつけたばかりで、散るまでにあと半月はあろうか。
花びらを眺めていて、浅野内匠頭の辞世の句が
ふと思い浮かぶ。あまりにも有名な
風さそう 花よりもなお われは・・・
だが、やはり桜は散り際が大事かな。
週末には日本橋浜町の明治座に「忠臣蔵」を観にゆく。

本来、小石川植物園では
酒類の持込は禁止となっております。

 
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2007年3月27日(火)

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