「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第194回
冷めた「忠臣蔵」のあとの平壌冷麺 (その2)

芝居のあとの懇親会は浜町の明治座から
タクシーでワンメーターの距離の浅草橋へ。
JR総武線の高架脇にある
冷麺専門店「KORYO」が今宵の会場。
同じコリアン冷麺でもこの店では
本格的なピョンヤン冷麺を供する。
美味しさには定評があり、ここ浅草橋本店のほか、
都心の赤坂と埼玉県・大宮にも支店を開いている。

総勢18人が個室に収まった。
主役は紅組代表・波乃久里子、
白組代表・松村雄基のご両人。
パア〜ッと盛り上がる宴会だから、専門店といっても
いきなり冷麺をすすり始めるわけではない。
本日の主菜はもちろん焼肉。
開店間もない頃は、冷麺だけが突出していて
焼肉類は不振、まったく精彩を欠いていた。
一度夜に訪れて後悔して以来、
もっぱらランチタイムの冷麺だけが御用達だったが、
次第に改善のあとが見られるようになり、
今では焼肉も界隈随一との評判を取っている。

3500円のコース料理のCPが極めて高い。
内容を以下に記すと

・キムチ&カクテキ
・ナムル3種盛り
・韓国風冷奴
・大正海老焼き 
・中落ち牛タンの柚子胡椒風味
・サムギョッサル(豚バラ肉)
・牛カルビ&ロース
・もんごいかの味噌ダレ焼き
・小平壌冷麺
・ヴァニラアイス

白菜のキムチも大根のカクテキも
唐辛子の辛味が際立つだけで
複雑な味付けをしないところが成功している。
冷凍の解凍だろうが、海老はそこそこ。
珍しいのは牛タンの柚子胡椒風味。
塩気は少々強いが、発想がおもしろい。
厚切りのサムギョッサルはサンチュと
えごまの葉とともに辛味噌を塗り込んで食べる。
カルビ&ロースは例えてみれば、
まぐろの赤身と中とろ。
身肉の旨みと脂身の旨みが好対照だ。
量たっぷりのもんごいかは悪くないが、
替わりに内蔵モノが1品あったらよかった。

食事の締めは名物・平壌冷麺のスモールサイズ。
店自らが臆面もなく至高の冷麺と
謳うだけに、これは相当の自信作。
自信にたがわず、いつ食べても間違いがない。
まろやかなスープとしなやかな麺の
コンビネーションがすばらしいのだ。
まさにシンプリー・デリシャスといった感じ。
麺にもうちょっと太さとコシを望む向きもあろうが、
やはりこのスタイルは変えてほしくない。
文京区・白山上の「「Lee Cook」と並んで
都内で食べられる冷麺の双璧だ。文句なしに美味い!

酒はビールに始まって、
マッコリがプレーンと黒豆入りの2種類。
韓国風のどぶろく・マッコリはアルコール度も低く、
口当たりがいいから、グイグイいけてしまう。
プレーンよりも甘みの増す黒豆入りは初めて飲んだ。

ビール党の雄基はこの夜もビール一辺倒。
中瓶を数本空けてもケロッとしている。
酒に強い彼はかなり深酒をしても
翌朝は必ず5時に起床して
ジョギングを欠かさないというから見上げたものだ。

一方の久里子さんは芝居に出ている間は
乾杯のお付き合いもそこそこに、もっぱら節酒に努める。
こちらも相当にイケる口ながら
日頃の節制を怠らないのは立派。
一角の役者さんは人それぞれに
プロ根性を持ち合わせているんだなぁ。

 
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2007年3月29日(木)

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