「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第198回
得意な手料理のご紹介 (その2)

おいおい、J.C.よ!
冷奴で料理たぁ、どういう了見でェ!
そんなそしりが聞こえてくるような気もする。
それもごもっとも、本日は善処いたしましょう。

言いそびれたが、使用する木綿豆腐は
名だたる豆腐屋のものでなくとも一向に構わない。
推奨に値するのはセブンイレブンで簡単に手に入る
茨城県古河市の三和豆友食品のもの。
豆腐本来の穏やかなコク味が感じられ、
口当たりがよい上に安い。

お次の手料理は豆腐つながりで鱈ちり。
おいおい、それじゃ湯豆腐に鱈の切り身を
放り込んだだけじゃねェか!ってか?
いやいや、そんじょそこらの鱈ちりとは
比べものにならないヤツを紹介しますよ。

近年、価格が高騰している真鱈だが、
これだけは奮発してもらいたい。
アラスカあたりから輸入される
甘塩鱈を否定はしないけれど、
北海道や青森産の生鱈を買い求めてほしい。
日本橋の高島屋地下では2切れで千円近い。
これが湯島、あるいは小石川の
高級鮮魚&海産物店「丸赤」のものだと、
値段は倍近くに跳ね上がる。その代わり絶品だ。

真鱈は1切れを5つほどのブツ切りにして、
全体にまんべんなく振り塩を施す。
このときの塩はケチってはいけない。
エッ、こんなに!というくらいで構わない。
鱈ちりの主役・真鱈の美味さは
この塩で決まると言っても過言ではない。
2〜30分はそのままにしておき、
浸透圧作用で盛んに汗をかいている
鱈の身の上から一気に熱湯で霜降りにする。
手早くペーパータオルで
水分を拭き取り、大皿に並べておく。

続いてはザクの用意だ。
寄せ鍋ではないから、シンプルにまとめたい。
豆腐と白滝は必須。長ねぎも同様。
鱈ちりには九条ねぎなど青ねぎよりも
根深と呼ばれる白ねぎのほうがふさわしい。
鍋のキノコ類はあまり好まぬので入れないが、
お好きな方は適宜どうぞ。
この際は風味を発散しすぎる椎茸や松茸よりも
味を吸収するエノキ茸やエリンギのほうがよい。

あとは1種類の葉野菜があれば、それでじゅうぶん。
あくまでも緑の葉野菜が良く、白菜は向かない。
せり・水菜・壬生菜・春菊が四天王。
変わったところでは根みつばも味わい深い。
ここで小松菜やほうれん草を思い浮かべる方は
明日から主婦の座を降りたほうがいい。
国家やハケン社員に品格が求められるように
主婦にも品格があってしかるべき。
でないと亭主が苦労する。

薬味はきざんだ白ねぎに大根おろし。
辛いのがお好きな方は紅葉おろし。
ポン酢は市販のものでけっこう。
すだち・かぼす・だいだいなど
フレッシュな柑橘類があれば、マッチ・ベターだ。

           =つづく=

 
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2007年4月4日(水)

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