「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第202回
桜吹雪の播磨坂 (その2)

桜舞う播磨坂のイタリアン「タンタ ローバ」。
久しぶりに顔を合わせた友人が4人連れ立って入店。
この夜は何はともあれ多種多彩に注文し、
みんなで取り分けて食べ比べようという腹積もり。

店内はテーブル同士の間隔に
余裕を持たせて20席ちょうど。
6席×2卓に4席×2卓と、コンパクトな店のわりに
大きめのテーブル配置は場所柄、
家族連れが多いことをうかがわせる。
当夜は花見を当て込んだ客のために
テラスにも2卓ほど設けられていた。

泡が嫌いなので、泡少なめでお願いした
スーパードライの生をプハーッ!とやって
手造りのグリッシーニをかじる。
メニューの品揃えは思ったより少ない。
アンティもプリモもセコンドも
それぞれ5種類ほどにすぎない。

ホームページにあったヴィテッロ・トンナートも
本来のヴィテッロ(仔牛肉)ではなく、
豚肉に取って替わられていて、とても残念。
この料理は冷製の仔牛肉にツナの風味の
クリーミーなソースを掛けたものだが、
世界に数少ない魚&肉のコラボレーションが
成功を収めている希少な料理なのだ。

ピエモンテの赤ワインはデッシラーニの
カラミーノ・ディ・ファーラ ’00年。
好きな造り手に好きなセパージュとあれば
安心してグラスを傾けることができる。
値付けは7350円とネット価格のちょうど2倍。
価格設定も良心の範囲内に収まっている。

アンティでは今がハシリの
ホワイトアスパラのグリルが印象的。
具材をかなりアレンジした上に
普段は冷たいはずのものを敢えて温製で供する
ラヴィゴットソースもユニークだ。

パスタは最後の締めに回しておき、
お次はセコンドの数々。
めかじきとアスパラのフリット盛合わせは
色白にサックリと揚がり、ちょっと見は
卵白のコロモをまとった天ぷらのようだ。
かじきのジューシーな肉質を楽しむ。
そしてこちらのアスパラはグリーンアスパラ。
ホワイトでは揚げものに向かないものね。

もち豚フィレ肉のソテーは薄切りの
いわゆるスカロッピーネ仕上げ。
シチリア名産のマルサーラのソースで来る。
これも本来は仔牛の料理なのだが、
どうして食大国日本に仔牛が普及しないのか
毎度のことながら、不思議でならない。

最後のパスタは1皿だけにしておく。
本当は2〜3種類は食べたかったのだが、
接客係の男性にどの料理もポーションが
大きいからといさめられ、その忠告に従ったのだった。
ほどなく手打ちのタリオリーニが食卓に運ばれる。

            =つづく=

 
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2007年4月10日(火)

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