「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第205回
読者オススメの店 (その2)

13日の金曜日である。
不吉な1日の始まりである。
でもシアワセなことに
占いや迷信とはまったくの無縁。
ノット・スーパースティシャス・アット・オールにつき、
今日も元気に「食べる歓び」を満喫したい。

雲南地方の過橋米線であった。
スープはかなりの油を含んでいるから冷める気配もない。
真っ白なスパゲッティ状の米線を
多種多彩な具と一緒にスープの中に放り込んで味わう。
つけ麺のようにして食べても美味しくない。
具は、鶏肉・豚肉・中国ハム・白身魚・うずら玉子・
湯葉・ほうれん草と、何でもござれ。
本場では鯉の薄切りを入れたりもするそうだ。
相対的にコッテリとした複雑な旨みが特徴の
ユニークな土鍋汁麺であった。

ほかにも廉価な小皿料理が
多彩に揃っていて晩酌にも好都合。
中には首を傾げたくなる皿が登場するものの
刻みピーマンを添えたピータンでやる
甕出しの紹興酒はけっこうだった。
2人でそこそこに飲み、支払いは6300円。
郷土色豊かな雲南料理店は一訪の価値あり。

2軒目はイタリア料理の「ラ・サエッタ」。
地図を手にしていても迷うような裏路地にあった。
地番は上野1丁目ながら、東京メトロ千代田線の
湯島駅6番出口からは目と鼻の先。
確認はしていないが、この店のシェフは
紹介者のI原さんの出身校・黒門小の後輩らしい。

たどり着いたら愛想がいいのを通り越して
むしろ人懐っこいマダムに迎えられた。
接客係の若い女性もにこやかにフレンドリー。
いかにもアットホームな雰囲気を
随所にたたえたトラットリアは好感度大だ。

ビールはキリンのブラウンマイスターの生中。
続いてハイネケンの小瓶。
赤ワインはピエモンテはコッポ社の
バルベーラ・ダスティ・カンプ・デュ・ルス’03年。
同じコッポの同じバルベーラ・ダスティの
ポモロッソがニューヨーク時代から大好き。
さすがに水準に達していて
いいディナーになることを確信するにいたる。

最初にサーヴされたパンが実に多種多彩。
グリッシーニ・フォカッチャ・黒豆玄米パン・
全粒粉パン・イングリッシュマフィンと5種類も登場。
マフィンはちょいと本場モノとは違う気がしたが、
いずれも丁寧に焼かれている。

にこやか嬢のオススメに1度は
首を振ったパルマ産生ハムだったが、
ハーフポーションが許されるのならと
お願いしてみて、はたして許された。
豊富なパン類を前にすると生ハムがほしくなる。
ハムやサラミやソーセージの類いは
パンと食べるのが一番美味しい。
もちろん赤ワインがあれば、
小森のオバちゃまではないが、モア・ベターだ。

           =つづく=

 
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2007年4月13日(金)

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