「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第209回
駆け込み乗車は いいことナシ! (その2)

銀河劇場でのフラメンコのあとの夕食は
同じフロアにある「喜鵲樓酒家」。
この店を直営する銀座の「三笠会館」は
たびたび利用していて、フレンチ・イタリアン・
中華・バーと一通りは訪れた。
ほとんど欠点のない「三笠会館」のことだから
ここでも安心してメニューに目を通すことができる。

当夜のメンバーは4人。ビールで乾杯のあとは
甕出しの紹興酒を常温で味わう。
最初はパリッと揚がった熱い春巻きを1本ずつ。
油の劣化もなく、揚げ上がりも上々だ。

おあとは干焼蝦仁、いわゆる芝海老のチリソース。
この料理は海老のサイズによって名前が変わってゆく。
車海老ほどのサイズになると干焼明蝦、
大正海老なら大蝦、打ち止めは伊勢海老の龍蝦だ。
料理名はともかく、この海老チリクン、
味はそこそこなれど、ソースがややゆるかった。
もうちょっときざみねぎを多めに投入してほしい。

お次の酢豚は実にオーソドックス。
油で揚げた豚肉がゴロゴロッと入って
一口で食べるにはちょうどよい大きさ。
皿を彩る野菜たちも酢豚の常連ばかりで
下手に凝らないところが返って好感が持てるのだ。

中国野菜の炒めが青梗菜だったか、ターツァイだったか
失念してしまったが、とにかく1種類の野菜のみと聞いて、
それではつまらぬと代わりに注文した素火会なる1皿は
トロミあんかけのかかった五目野菜のスープ煮。
これはヴァラエティにあふれて
目にも舌にも好印象、こちらを選んで正解だった。

締めは炒飯と焼きそば。
ライスもヌードルも捨てがたく、
結局は両方食べないと気がすまない。

先に来た五目炒飯はハッキリと化学調味料を
感じさせるものながら、どうにか許容範囲。
それよりもごはんの炒め具合がとてもよい。
本来、炒飯はインディカ米が好みなのだが、
ジャポニカ米もどうしてどうして
作り手の腕次第ではこんなにパラリと炒まるのだ。

最後の海鮮焼きそばは、帆立・小海老・ずわい蟹、
それに小さなすみいかが入ったなかなかの豪華版。
あんかけスタイルではない、麺と具を炒めた焼きそばは
中太・薄黄色のシコシコ麺が一種独特の歯ざわりで
ランチタイムに1皿完食したいくらいのものだった。

後日。ある月刊誌の取材のため、
観音裏の「ニュー王将」でかつ丼を食べたあと、
雷門までブラブラ歩いて、
都営浅草線・浅草駅のプラットフォーム。
おりから聞こえる発車の合図に体が勝手に
反応してしまい、またまたやった駆け込み乗車。
観音様は粗忽な素行をお見通し、
案の定、天罰てきめんで
下車するはずの浅草橋を通過してゆく。
快速電車に再び誤乗してしまったのだ。
たまたま一駅先の東日本橋で
降りられたから事なきを得たものの、
つくづく、馬鹿は死ななきゃ直らない。

 
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2007年4月19日(木)

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