「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第212回
フェラガモが営むリストランテ (その1)

シャネルとアラン・デュカスのコラボで
銀座に生まれたフレンチ「ベージュ東京」が
オープンして早や2年半ほどになるが、
昨年は六本木にフェラガモが経営する
イタリアン「イル・ボッロ」が誕生した。

開店間もない晩秋の夜、
月例食事会の「四人組」で訪れたときのこと。
入り口の狭いユニークなファサ−ドが
いかにもイタリア人好みのセンスを感じさせる。
初めての訪問者にはささやかな驚きを与えよう。

ウェイティング・ラウンジで
ウェルカム・スプマンテを振舞われる。
これが飲み干すやいなや
再び注いでくれて、ずいぶんと気前がいい。
下手を打つと、ここで酔いが回ってしまう。
酒の弱い方は自制するのが賢明だ。
もっとも弱ければ、グラスを空けることもないか。

ダイニングに移動して店内を何気なく観察。
ゆったりしたスペースにテーブル同士の
間隔も広い快適な空間からはバブリーな印象すら受ける。
立ち上げて間もない期間のスタッフ・オペレーションは
何かしらチグハグなものになりがちながら
見たところそんな気配も感じられず、
全体的な動きはスムースで、接客にも好感が持てる。
外国人のメートルは「ロオジエ」の出身と聞いた。

スプマンテを2杯いただいたが、
やはりビールがほしくなって
キリン・ハートランドの小瓶を2本ほど。
パンとフォカッチャをヴァージン・オリーヴオイルに
浸してつまみながらの協議の結果、
8400円のコースに決定した。
コース料理といってもお仕着せの
おまかせではなく、選択肢の広いものだ。

今宵のワインは白がピノ・グリージョ。
残念ながら、造り手とヴィンテージが思い出せない。
赤はキアンティ・クラシコの
イル・パラッツォーネ'04年とアンティノーリの同じく
キアンティ・クラシコ・リゼルヴァ・ドゥカーレ'03年。
値付けは白が1万2千円と少々、
赤は8千円弱に、8千円強。
キアンティの2本はCPの高い優良ワインであった。
4人で3本では足りずにこのあと
ハウスワインのイル・ボッロを1杯。
これはカベルネ・ソーヴィニヨンとメルローのブレンド。

最初の料理のアンティパストが運ばれる。
帆立のパンチェッタ巻き、秋刀魚のマリネ、
チーズとルッコラの牛カルパッチョ巻きと来て
よく言えば上品、悪く言えば物足りない。
青背を代表するサカナの秋刀魚は
火を通さないのであれば
もっと酢〆の深いもののほうが好みだ。
あまり特徴のない前菜の数々だった。
この頃にワインが白から赤へ切り替わった。

          =つづく=

 
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2007年4月24日(火)

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