「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第214回
学習院の学生食堂

あるセミナーの講師を引き受けて
週末の朝から学習院大学に出かけて行った。
キャンパス内に足を踏み入れたのは
今回がおそらく2回目の経験。
前回は中学三年のときだったか、
模擬試験か何かで訪れたように思う。

皇室御用達とあって、やはりほかの大学とは
微妙に雰囲気が異なっている。
上品に明るくおっとりとした雰囲気が漂っているのだ。
そうは思ったものの、今は学生運動などとっくに霧消して
どの大学もみな穏やかな表情をしているのかもしれない。

午前中の講義を終えての昼食。
主催者側が用意してくれた弁当を丁重に辞退し、
せっかく学習院で講義をする機会に恵まれたのだ、
この大学の食堂を利用してみるのも一興、
独り学食に向かい、サンプルケースの前に佇む。

オーソドックスにカレーライスか
スパゲッティ・ミートソースで
軽く済ませるという手もあるし、
しっかりと定食系を試すのもいい。
結局、とんかつと八宝菜で迷った末、
八宝菜定食(390円)に白羽の矢を立てた。
選んだ理由は自分の学生時代の学食に
こんなメニューは見かけなかったからだ。

サイドディッシュのカニコロッケ(120円)と合わせ、
締めて510円はインフレとはまったくの無縁。
玉子と並んで価格の優等生ぶりを発揮している。
定食には主菜のほかに、切干し大根とわかめの味噌汁、
そしてどんぶりに盛られたごはんは見るからに
輝きを失っていたので半分に減らしてもらった。

豚バラ肉と白菜が主役の八宝菜には
小海老の姿もチラリと垣間見れるし、
今まで見たこともないほどに
小さなヒモ付き帆立も入っていて
それなりの体裁は保っている。
もちろんまとめての作り置きだから
その都度炒めてくれるわけではないが、
味もけっして悪くはなかった。

切干しと味噌汁は化学調味料の味しかしない。
コロッケは千切りキャベツも添えられてそこそこ。
ごはんはやはり見ての通りだった。
半分でなかったら、完食はできなかったろう。
押しなべてレベル的には自分の現役時代と
変わるところがないけれど、
学生のうちからあまり旨いものばかりを
口にしていてもロクなことはないし、
これくらいでちょうどいいのかな。

残った休憩時間を利用して千登勢橋まで歩く。
橋の上から見下ろすと、
むかし西島三重子が歌った通りに
電車とクルマが並んで走っている。
明治通りと都電荒川線が平行しているのだ。
「池上線」と「千登勢橋」、ヒット曲は
ともによく似たこの2曲だけだったが、
今、彼女はどうしているのだろう。

 
←前回記事へ

2007年4月26日(木)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ