「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第217回
「ロオジエ」で飽食にふける(その1)

レストラン評論界の噛みつきジャックと言えば、
誰を差し置いても、だいぶ薄くはなったものの
黒髪のブラッシーこと、友里征耶だろう。
どうしてあんなに憎まれ口ばかり叩いているのか
どうにも不思議でならないが、
ひとたび一線を踏み越えてしまうと
そう簡単には正常な世界に戻れぬものらしい。
それもまた、生きとし生けるものの哀しいさだめ。

袖ふれ合うも他生の縁、
何の因果か希代の毒筆家・友里征耶と
たまに食卓を囲むこととなってしまった。
2人だけの食事だとレストラン内で
取っ組み合いにならぬとも限らないから
出版社や映画会社の方々にもご足労願って
ショック・アブソーバーの役割を
担ってもらったりもしている。

鮨・うなぎ・中華あたりではまったく
趣向の合わないわれわれだが、
競著「グルメバトル」で取り上げた店の中で
珍しくも2人揃って高評価だったのが
東京を代表するフレンチの「ロオジエ」。
シェフがジャック・ボリー氏から
ブルーノ・メナール氏に交代後は未訪につき、
競著のための最終チェックに
訪れたのが昨年の8月のことだった。

10ヶ月ぶりに金曜の夜におジャマした。
当夜は食べものには異常なまでに執着を見せる
それこそ友里征耶といい勝負の友人と、
彼の知り合いの某IT関連会社の秘書嬢、
そして彼女の上司に当たる秘書室長の計4名。

このディナーの日取りが決まったのは
何と2ヶ月以上も前のこと。
したがって週初にスケジュールを確認するまで
ほとんど記憶から消えていたくらい。
でもPCの予定表に「ロオジエ」の名前を認めると
心なしか頬がゆるんでしまうのは
あぁ、今週は美味しいものが食べられるんだなぁ、
という歓びがストレートに感じられるためだ。

金曜には至高のフレンチをいただけるのだから
今週はそれまでフランス料理を封印しておこう
というのが常人の常識的な発想なのだろうが、
J.C.はそれに与しない。
フォーマルとカジュアルを比べようという意識は
ないものの、グランメゾンを訪れる直前に
ビストロに行ってみたくなったりもするのだ。

ちなみにその週の夕食はこんな具合であった。
月曜:ハーピスト・篠崎史子の個展]のあと
   初台のフレンチ「セヴレ」(近々移転予定)
火曜:18時半まで仕事のあと
   池之端の和食「ふるかわ庵」
水曜:18時半まで仕事のあと
   門前仲町のフレンチ「プチ・ニース」
木曜:21時過ぎまで麹町でセミナーのあと
   神保町で行きつけの「やまじょう」

さて、金曜の夜。19時5分に到着すると
3名はすでにテーブルに着いていた。

         =つづく=

 
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2007年5月1日(火)

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