「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第219回
「ロオジエ」で飽食にふける(その3)

19時に入店してすでに2時間あまり経過。
ディナーはオードヴルが終わったところだ。
なんだかずいぶんお腹がくちくなったような気もする。
数々の銘酒をじっくりと味わいながら
ゆるり楽しむ食事は時の経つのもあっという間だ。

ここでメインディッシュの登場。
本栖湖の養殖虹鱒のロティ
 アルガンオイル風味のプラリネと
 すだちのエッセンス

 とても虹鱒には見えない。
 桜鱒より色が濃く、サイズも大きい。
 普通の虹鱒を予想していたものだから、見てビックリ。
 本栖湖でこんなサカナが養殖されていたのも驚きだ。
仏産テュルボのロティ
 カカオ風味のジュとサルシファイ&キノコ添え
 テュルボは英語で言うターボット、いわゆる平目。
 サルシファイは西洋ごぼう。
 肉厚のテュルボはシットリとした仕上がり。
仏産鳩のアンクルート
 エピスとシトロンの香りに
 ジンジャーオイル風味のジュと竹の子のグリエ添え

 アンクルートはパイ包み焼きのこと。
 ポール・ボキューズのバール・アンクルート
 (すずきのパイ包み焼き)は一世を風靡した。
 鳩にはブルゴーニュのクロ・ド・ヴージョ。
 脂肪は少なくとも血の匂いのする禽獣類には
 やはりピノ・ノワールが一番だ。
骨付き仔羊のロティ
 ローズマリーの香りに旬の野菜添え
 仔羊にはボルドーのコス・デストゥーネル。
 脂身を持つ獣肉にはカベルネ・ソーヴィニヨンが合う。
 霜降り和牛などにはボルドーのサポートが必要不可欠。
 鮮やかな赤身を残して、さすがの焼き上がり。
ブレス産若鶏のロティ
 黒トリュフ包み 野菜のポトフ添え
 ほかの主菜が7600円〜8600円なのに
 これだけは12000円と5割増し。
 その理由は若鶏の身肉を包み込むほどに
 大量に使われた仏産黒トリュフ。
 シンプルにロティするだけでも美味しいはずだが、
 フランスの銘酒と合わせるには
 若鶏だけでは太刀打ちできないのかもしれない。

腹八分目などとっくに通り越し、
とうとう腹十二分目に達している。
何やら女性陣はデセールは
別腹とばかりに楽しんでいたようだが、
その光景を尻目に、こちらはあえなくギヴアップ。
あとは恐怖のお勘定を残すのみ。
かいもく見当がつかなかったけれど、
総額19万円と少々は1人5万弱で収まった。

並木通りで御三方に手を振ったあと、
せっかくの金曜夜の銀座とばかり、
しばらくご無沙汰していたお店めぐり。
外堀通りのビルのてっぺんにあるラウンジ「U」、
並木通りに取って帰し、バー「M」。
久々の「M」はちょうど客が引けて早々に店仕舞い。
「今日は飲むぞ!」と意気込むママと
金曜だけヘルプに来ているE子嬢との3人で
宵の口におジャマしていたバー「A」に舞い戻った。
何のこたぁない、すごろくじゃないが、
7時間かけて振り出しに戻ったのでした。
「A」を出たのは夜明け間近い午前4時。
あぁ、つくづく土曜の朝でよかったぜ!

 
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2007年5月3日(木)

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