「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第222回
心和ませてくれたキジバトとツバメ (その1)

バード・ウォッチングの趣味はないけれど、
子どもの頃から小鳥がとても好きである。
好きな鳥はツバメ・メジロ・カワセミ・キジバト・
オシドリ・ユリカモメ・フクロウあたり。
スズメなんかもなかなか可愛いヤツだと思っている。
1度世田谷の等々力渓谷でオシドリのつがいに
出くわしたときはその美しさに息を飲んで見とれた。
逆に嫌いなのはカラスと背黒カモメと七面鳥。
もっともこのお三方は小鳥とは言わぬか。

幼い頃に母親が大事に育てていたメジロを
逃がしてしまい、こっぴどく叱られたことは
以前このコラムで書いた。
その数年後、小学生の3年生くらいだったか、
住まいの2階の窓からウグイスが
飛び込んできたことがあり、半年ほど飼ったものの
寒い朝にコロリと死なれてしまった。
関係ないが、吉永小百合とマヒナスターズの
「寒い朝」がヒットする2年ほど前のことだ。
それ以来、小鳥を飼ったことはない。

神田須田町に「眠庵」という一風変わったそば屋がある。
予約なしで夜に訪れ、入れなかったことがある。
それから数ヶ月後、昼どきに界隈を歩いていて思い出し
足を運ぶと何とかカウンターに座れた。
産地の異なる2種類のそばを1枚ずつ供する
二種盛り(1160円)をお願いしてみたが、
ほとんどの客がこれを注文しているようだ。

最初に栃木産、続いて福井産が運ばれた。
ともに中細で、色つやに違いがあるでもなく
見た目はそっくりの瓜二つ。
食べてみると、どちらのそばもコシと言うより
モチッとした噛み締め感が持ち味だ。
似たり寄ったりのそば同士を
わざわざ二種盛りにすることもないなぁ、という感じ。

何かものたりなさが残ってしまい、
旧連雀町(現須田町&淡路町)で
もう1枚たぐってみようかと中央通りの反対側に向かう。
頭の中では「まつや」なら、もり、
「かんだやぶそば」なら、せいろうなどと
考えながらスタスタと横断歩道を渡って行った。

「まつや」の前にたどり着けば、5〜6人の短い行列。
それでは「やぶ」に廻ろうと思い、きびすを返すと
足元からそんなに遠くないところにキジバトが1羽。
ここ数年、別名ヤマバトの名を持つキジバトを
街中で見かけることが珍しくなくなった。
ほとんどの場合、ペアでいるキジバトだから
相棒は何処に?と見回すと、なんと「まつや」の正面の
小さな植え込みの1本の木に巣をかけているのだった。
巣の中で待っているのがおそらくメスだろう。

目の前はクルマの往来の激しい靖国通り。
こんなところによくもまぁ、愛の巣を築いたものだ。
心が躍ったおかげでもう1枚の
そばのことなどケロリと忘れたまんま。
以来、ときどきキジバト夫婦の愛らしい姿を
拝みに出かけたものだが、
これを称して「J.C.の靖国参拝」という。
実に平和だ。

           =つづく=

 
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2007年5月8日(火)

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