「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第226回
小田原・早川漁港の「魚市場食堂」 (その2)

四角いお盆に収まった
港の昼定食の内容はかくのごとし。

 刺身盛合わせ(まぐろ中とろ・はまち)
 フライ盛合わせ(海老・あじ)
 小鉢(しらすおろし) 千切りたくあん
 わかめ味噌汁 ごはん

小田原一のラーメン店「味一」のことを考慮して
ごはんはあらかじめ半分にしてもらってある。

さすが魚市場だけあり、刺身の質は高い。
添えてあるのはむろん粉わさびなのだが、
鮮度抜群とはこのことだ。
普段は滅多に口にしないはまちがとても良かった。
この手のサカナは、ぶりもかんぱちもあまり好まず、
ときおり縞あじに食指を延ばす程度なのに
ここのはまちは美味しくいただけた。

その反対にフライがいただけない。
そこそこサイズの海老はともかく、
身の薄いあじには不満が残った。
地あじを使っているらしいが、
いかにも貧相で、旨みもどこぞにもれている。
カタチの良いものはみな干物店に回されちゃうのかな。
肝心かなめのごはんにも冴えがなく、
この食堂は刺身や煮魚で一杯やるのが一番の使いみちだ。

そのほかの主なメニューは
お刺身定食(1000円)、さば味噌煮定食(480円)、
納豆・玉子定食(380円)、シーフードカレー(650円)、
単品では、あじたたき(580円)、金目鯛煮付け(550円)
といったところで、やはり刺身やあじのたたきが人気。
あじも金目鯛も目の前の相模湾から
水揚げされたものが食卓に並ぶ。

小田原ちょうちんをかたどった
灯台の見える波止場をぶらりと散策してから
ラーメンの「味一」に向かう。
意外にも近く、歩いて10分少々の距離ながら
ちょいとばかり考えが甘かった。

店先の行列の人数はざっと数えて30数名。
多くはない店内の席数からして
1時間は待たされることになろう。
ここはスッパリ損切りの手仕舞いが得策。
未練心も断ち切り、再び徒歩にて市の中心部を目指す。
市内を徘徊すれば、意に染まる日本そば屋や
中華そば屋の1軒にめぐり逢えることもあろう。

噂に聞いた小田原城内に入りはしたものの
ときおり突風吹き荒れる午後のこと、
巻き上がる砂ぼこりがあまりにもヒドい。
天守閣はあきらめて作戦の立て直しのため、
小田原駅方面へいったん退却する。

駅前はそれこそ蒲鉾店だらけ。
小田原の街道すじには干物店が立ち並ぶが、
街なかは右を向いても左を見ても蒲鉾一色。
千度小路なるひとすじの道など
通称かまぼこ通りの異名を取るほどだ。
おりしも松原神社の大祭、
街のあちらこちらで神輿に出くわすのがうれしい。

 
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2007年5月14日(月)

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