「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第239回
三社祭はエンコの華 (その2)

雷門脇のトラットリア「カリッスィマ」での
2皿目の前菜は蛍いかのソースで食べさせる
ホワイトアスパラガスのソテー。
蛍いかとホワイトアスパラは、海と大地の恵み。
それぞれの旬の素材をコラボレートさせて
趣向と思考をこらした一品が
相性の妙をしみじみと実感させてくれた。

前菜を選ぶにあたって1度は断念したはずの
生ハムといちぢくの盛合わせだったが、
「おれって、いちぢくが好きなんだよなぁ」
とつぶやく未練がましい輩の一言により、
遅ればせながら注文してみると
こいつが大当たりで、たいした美味であった。
生ハムがあんまりシットリしているので
サンダニエーレ産かと思いきや
はたしてパルマ産とのこと。

パスタの前にセコンディをいただくのは定石。
続く皿は虹ますの赤ワイン煮だ。
最近の料理店ではあまり見かけなくなった虹ますだが、
深々と赤ワインで煮込まれ、暗褐色に染まっていた。
かなり酸味が勝っていて、これはワインがなければ
食べ切るのが少々シンドかったかもしれない。

仔うさぎと新じゃがのローストは
定番のローズマリー風味。
グリッシーニのコロモをまとった仔羊のローストは
余分な脂身を外して、柔らかくも軽快な仕上がり。
あしらったドライトマトと黒キャベツの新芽も新鮮、
当夜のベストディッシュと相成る。

最後にパスタを2皿。
まず、リングイネッテのマリナーラ・ビアンコ。
てっきり魚介類のラグーかと思ったのだが、
俗に言うペスカトーレに近いもので、
材料が前菜のインサラータと重複してしまった。
これは料理選択を一任されたJ.C.の勇み足。

2皿目はパンチェッタとグリーンピースの
ガルガネッリ・クリームソース。
ガルガネッリは食感が命の手巻きマカロニだ。
肉・豆・麦が三位一体となってクリームとからみ合う。
とてもいいデキなのにほかの2人は
アマトリチアーナのようなトマト系を期待していて
多少なりとも不満の様子、その気持ちはよく判る。

その夜は観音裏の行きつけスナック「N」に流れて
麦焼酎の吉四六とコニャックのヘネシーのチャンポン。
イチヂク好きは無類の軍歌好きでもあった。
よしゃあいいのに ♪ 見よ、落下傘!♪ などと
マイク片手にゴキゲンだ。
ママが初物の枇杷を切ってくれる。
大好物を前にこんどはこちらが満面の笑み。

翌日の土曜日の正午ちょうど。
浅草寺の裏手に集合したのは総勢9名。
仕掛け人は飲み友だちのO会長だ。
以下、社労士のS女史、製薬会社に務めるT子嬢、
ハーピストのIア先生、酒造メーカー役員のK石クン、
商社務めのT島クン一家3名。
浴衣姿で打ち揃い、浅草寺本堂裏広場へ分け入った。

           =つづく=

 
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2007年5月31日(木)

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