「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第246
そよ風の中のランチ(その1)

東京メトロの神楽坂・九段下・市ヶ谷駅を
点で結ぶとほぼ正三角形に近い。
この三角形をフレンチ・トライアングルと
呼ぶことをご存知の方はほとんどいないと思う。
さもありなん、本日ここに初めて
J.C.が命名するのだから。

この三角形の中はもとより、外側の周辺には
限りない数のフレンチビストロが存在している。
そんな中に一風変わったブラッスリーが1軒。
在日フランス大使館の公式文化センター、
日仏会館内の「ブラッスリー・ドゥ・ランスティテュ」だ。
フランス人のスタッフ中心に運営されていて
ちょいとした異国情緒も楽しめる。

5年ほど前に訪れたままご無沙汰だったが、
季節もよくなったことだし、
たまには屋外で週末のランチでもと出掛ける。
オープンは11時45分と変則的。
11時半過ぎに到着すると、数組のカップルが
入り口近くに佇んで店が開くのを待っていた。

涼しい風が吹き抜ける木陰のテーブルに
案内されて、まずは生ビール。
こちらはスーパードライで相棒はステラ・アルトワ。
ステラ・アルトワはベルギーで一番人気のラガービール。
スッキリタイプのこのピルスナーは
近年東南アジアに大きな販売網を構築している。

実は前夜、フレンチ・トライアングル周辺の
ビストロ「サンファソン」でヒドい目に合ってきた。
主菜の豚足のコロッケとうさぎのフリカッセが
もうどうにもならない代物で
それぞれ一口ずつ口にしたあと、
ほうほうの態で逃げ出したのだった。

前の晩にフレンチを食べているのに
翌日の昼に再びなどという暴挙を普段はしないが、
この日はお口直しの意味も含まれているのである。
デジュネA(1650円)は
前菜+主菜+カフェで
前菜をデセールに代えることができる。
デジュネB(2100円)は
前菜+主菜+デセール+カフェ。
デセールを取ることはごくまれにつき、AとBでいく。

黙っていてもバゲットにバターが添えられる。
昨夜の「サンファソン」では
エシレのバターが有料(320円)だった。
まっ、エシレの場合はどこの店でもチャージされるけど。
前菜の運ばれる前に、生ビールの2杯目。
もっともサイズ的には生小といったところだが。

ネットのカキコミなどを読んでいると
サービスにムラがあったり、横柄だったり、
注文の間違いが散見されたり、
あまり評判はよろしくない。
ところが、われわれを担当してくれた
長身・短髪・眼鏡の青年はとても感じがよく、
前菜の2皿はともに彼のおすすめに従ったのだった。

           =つづく=

 
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2007年6月11日(月)

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