「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第250回
想い出の詰まったハンバーガー (その3)

エチオピアから空路でケニアへ。
内陸都市のナイロビの気候は快適だ。
YMCAに投宿し、ここを根城にして
ケニア・ウガンダ・タンザニアの
東アフリカ3カ国を周遊する予定だった。

ナイロビのYMCAはまさに天国。
今までに泊まった安宿の中では
生涯ベストと言ってよい。
寝泊りするのは二段ベッドが3台詰め込まれた
ドミトリーだったのだが、食事が充実していた。

朝・昼・晩3食のほかにも
朝の5時過ぎにはモーニングティー、
午後の3時にはアフターヌーンティー。
しかも午後にはかなり薄っぺらいものの
ローストビーフのサンドイッチまで
サーヴされるのだから3食の水準も推して知るべし。

中庭にはスイミングプールと
英国式ビリヤードのスヌーカルーム。
スヌーカはポケットスタイルでも
ボールに番号を振らずに、ルールも少々複雑。
米国式のローテーションより普及度が低く、
その後ロンドンで数回プレイしただけだが、
こちらのほうがはるかに面白い。

YMCAのおかげで外食する必要のないナイロビから
陸路バスでウガンダのカンパラに向かう。
この当時、ウガンダは悪名高きアミン将軍が
商業を牛耳っていたインド系市民を追放し、
数年間に渡る鎖国政策を続けていた。
訪れたのは開国された直後のことで
外国人旅行者の数は非常に少ないものだった。

カンパラの食料事情はけっしてよいとは言えず、
現地の食堂は青いバナナを煮たようなのばかり。
朝はパンにゆで玉子や黄色いバナナで事足りても
ランチとディナーはそうはいかない。
1週間ほどの滞在の間にお世話になったのが
名前を思い出せない中華料理店と
「WIMPY」という名のハンバーガー・ショップ。
日本人を初めて見たという中華料理店の
中国人オーナー夫妻がよくしてくれて
春巻や焼売をサービスしてもらったりもした。

「WIMPY」にもほぼ毎日顔を出した。
ハンバーガーがこんなにありがたかったことはない。
この「ウインピー」は漫画の「ポパイ」の
ファンの方ならピンとくるだろう。
ハンバーガー好きのウインピーおじさんだ。
「火曜に給料もらったら必ず返すから
ハンバーガーを買っとくれヨ」
あのセリフが懐かしいよね。

そう言えばシアトル生まれの
コーヒーチェーンの「スターバックス」。
この名前の由来をご存知だろうか。
ハーマン・メルヴィルの小説「白鯨」に
登場するコーヒー好きの一等航海士が
スターバックなのである。
名付け親はウインピーおじさんから
ヒントを得たに相違ない。

         =つづく=

 
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2007年6月15日(金)

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