「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第269回
ぐるなびクーポンに惹かれて

週末に茗荷谷でコンサート。
教育の森公園に近い小さなホールで
フルート・チェロ・ハープのトリオを聴く。
お目当てはハーピストの石ア菜々。
中学の同級生、石ア千枝子のお嬢さんで
母親もまたハーピスト。
カザルスの「鳥の歌」、
ラヴェルの「ソナティネ」に耳を傾けた。

夕方5時に演奏会が終わり、
そのあとは駆けつけた仲間と一緒に会食。
こんなときのレストランの手配は常にJ.C.の役目。
その夜は茗荷谷駅裏手のビルの2階にある
中華料理店「木蘭(ムーラン)」。
17:45分に14名の予約を入れておいた。

休日の時間が時間だし、人数も人数だ。
店選びにネットの助けも必要だ。
この店の選択の決め手となったのは
ぐるなびページで見たメニューが多彩にして
しかも料理人のセンスがうかがえたこと。
もちろん行き当たりばったりだから
それほどの期待をこめているわけではない。

そして決断の後押しをしたのが
「4名様以上紹興酒1本」のクーポンサービス。
男というものは昔からタダ酒には弱い。
4名以上は8名でも10名でも1本のみのところ、
14名で2本ということで交渉成立と相成った。
4名ずつに分かれて別々に予約を入れ、
各テーブルに1本ずつなんてマネはしたくない。

前菜の盛合わせは
焼き豚・棒々鶏・ピータン・茄子揚げびたし。
このいずれもが標準以上で
「こりゃ、当たったぞ!」とほくそ笑む。

はたしてスープはその上をいった。
たらば蟹&干し海老入り生青海苔のかき玉スープ。
今年の中華系スープでは断トツの出来映え。
最大のポイントは生青海苔に着眼した点にある。

牛肉といかと野菜のオイスターソース炒めは
八角の香りに、黄ニラ・オクラ・じゃが芋が効果的。
油の使用も控えめで、これも優秀作。

片栗子入りのコロモで揚げた鶏肉に
ねぎ醤油ダレを掛けた油淋鶏はやや大味。
タレとのなじみもイマイチの感あり。

定番の小海老のチリソースはソースが個性的。
ここでも八角が使われていている。
今まで数十種類の海老チリを食べてきたが、
記憶にないから、おそらくこれが初めての八角入り。

干し貝柱と白菜と青梗菜の炒め煮には貝柱がたっぷり。
高価な食材をふんだんに使うところがエラい。
この料理で肝腎かなめの貝柱をケチると
間が抜けた味に堕してしまうのだ。

什錦炒麺、いわゆる五目焼きそばは
ごく普通の仕上がりで、満足度も中くらい。
それよりもデザートの杏仁豆腐が大好評。
豆腐に掛かった桂花陳酒のジュレがアクセント。
会食の締めくくりとして、申し分のない逸品となる。

 
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2007年7月12日(木)

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