「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第271回
こんな鮨屋があったのか!(その2)

初めての鮨店「赤坂 藤」は佳境に入ってきた。
芋焼酎はオリジナルブレンドで
黒天狗2に対して影法師1を配合する。
ここまでやる鮨屋は前代未聞。
ここの親方は凝り始めると、どうにも止まらない。

きすに似た細身のサカナが
生のまま2切れ、スッと出された。
小片なので、ちょっと見は判別しにくいが
これは穴子の刺身に相違ない。
日本では生の穴子を滅多に食べないけれど
韓国には広く普及していて
釜山の海岸沿いに並ぶ屋台の定番となっている。

続いて来たのは焼き穴子。これにはすだちを搾る。
ちなみに穴子の産地は天下に名だたる
江戸前でも松島でもなく、九州の対馬だという。
対馬なら釜山の真向かいではないか!
かの海では穴子が大量に獲れるらしい。

ここで酒飲みのための珍味が2品。
子どもの頃は見向きもしなかったのに
大人になって好きになった鯨のベーコン。
これが味噌漬けとなって登場。
初めて食べたが芋焼酎との相性がよく驚いた。

もう1品はしじみの紹興酒漬け。
台湾料理屋でおなじみの小菜である。
青森は小川湖産の大粒のしじみは
あさりに匹敵するサイズ。これも滋味に富む。
とにかく独創的な酒肴に感じ入ること大。
赤坂にこんな鮨屋があったとは!
これだけの実力店に気付かなかったのが不思議。

お次は期待感高まるかつおの刺身。
にんにくスライスとおろし生姜で楽しんだ。
かつおは当たり外れの大きい厄介なサカナで
鮨屋泣かせの異名を取るが
当たれば本まぐろより旨いくらい。
これも見事に当たり、何ともすばらしい赤坂の夜。

いよいよにぎりに突入。
真子がれい昆布〆・白いか黒みる貝・赤身づけ・
穴子酢鯵・かんぴょう巻き
赤字はヒット商品である。

もっとも印象的だったのは白いか。
沖縄の島唐辛子の醤油漬けを
純白の身の上にチョコンと乗せて供された。
淡白で繊細ないかの身肉には
青唐でもわさびでも、実によく効くものだ。

支払いは2人で4万5千円弱と
銀座・赤坂・六本木の一流どころの標準価格。
持つべきものは友人で
印象深い店を教えてくれたことに感謝。
鮨屋に限って言えばここ数軒、
連続ヒットが続いていて何よりだ。

 
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2007年7月16日(月)

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