「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第284回
わたくし覆面を脱ぎ捨てます (その1)

勝手に、しかも辛口で
レストランを批評する以上、
面が割れるといろいろな不都合が生じる。
故に雑誌の取材を初めとして
顔写真の掲載はずっとご遠慮してきた。
もっとも公けにするほどの
イケてるメンではないのだけれど・・・。

それがこのたび一大決心、
覆面を脱ぎ捨てることにした。
テレビに出演することになったのである。
毎週TBSラジオに出ているが、
ラジオのことにて面が割れることもなく
食べ歩きの店めぐりに支障を来すこともなかった。
でもテレビとなるとハナシは別だ。
今後は慎重に対処しなければなるまい。

もっとも1回や2回、テレビ出演しても
バッチリ顔を覚えられるわけでもないし、
さして取材に影響が及ぶことも考えにくい。
それより自分の知らないところで
誰にどんな恨みをかこっているやも知れず、
月の隠れた晩にいきなり背後から
ブスリなんてことも、一応は想定の範囲内に
入れておかなければならない。

来る8月26日(日)の深夜。
正確を期すれば、翌27日(月)の
午前1時すぎからNHK総合テレビの
「Weekend Japanology」なる番組に出演する。
Japanologyは「日本学」を意味する造語。
本来は海外向けのNHKワールドTVのための番組で
毎週日本の文化や芸術を広く世界に紹介することを
その使命、そのレゾン・デートルとしている。
基本的に英語で進行するので主音声は英語、
副音声が日本語吹き替えの2ヶ国語放送は
まずワールドTVで海外に放映されたあと、
出来映えや評判のよかったものが
3ヶ月ほどして総合テレビでも紹介される。

主要テーマは日本の伝統文化&食文化、流行&トレンド、
あるいは日常生活の一コマなど多種多彩。
いわゆる紋切り型にとらわれない斬新な切り口で
日本の魅力を海外に発信している。

日ごろから、何らかのカタチで日本の食文化に
少しでも貢献できればと思っていたので
出演依頼を受けたときには一も二もなく快諾した。
しかもテーマが「駅弁」と聞いては
もう矢も盾もたまらない気分になってしまった。

ちなみに番組では今まで
「鍋」・「三味線」・「剣道」・「将棋」・
「岡本太郎」・「イサム・ノグチ」など
かなり濃ゆいものも紹介されている。

スタジオのピーター・バラカン&光岡ディオンに
毎回ゲストが加わって、番組を進めてゆくのだが
今回の「駅弁」はその性格上、
スタジオ内にとどまっていては
その魅力を伝えることはできない。駅弁には旅である。
かくして東京駅から旅立つJ.C.なのであった。

             =つづく=

 
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2007年8月2日(木)

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