「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第297回
スゴいそば屋を発見したが! (その2)

散策の途中に発見して、しばし店先に佇み、
これならば「行かなきゃいけない無名店」、
悪くとも「満足できる無名店」の候補として
まず間違いなかろうと踏んだ板橋区稲荷台の
「純粋蕎 野島」に友人のK石クンと
S井さんの3人で訪れている。
K石は板橋高校、S井は上板橋第一中学の
クラスメートである。

したがって板橋区を東京の田舎などと
けっして思ってはいない。
逆に板橋区民を田舎モノ呼ばわりするヤツには
「放課後、学校の裏門で待ってろヨ!」
なんてスゴみたくなるほど板橋区思いなのである。

品書きの「ビール 600円」であった。
イヤな予感がしたのは
こういうそば屋ではエビスしか置かない店が
イヤになるくらいに多いからだ。
たびたびビールの銘柄問題に触れて
「もうビールのハナシはやめろヨ!」なんて
言われているので、クドクド述べぬが
そばや鮨にエビスは重たすぎるのだ。

ところが何と瓶1種類しかないビールの銘柄が
好みのスーパードライだった。しかも大瓶で600円。
遠路はるばる汗を流して来たかいあって
グビーッと5本ほど空けてしまった。
もちろん、3人でですヨ。

つまみは、ふき味噌・ほっけの燻製・身欠きにしん・
野菜揚げ・スモークチキン・玉子焼きと
当夜出来るものはほとんどすべて注文した。

ふきのとうの香るふき味噌は花マル。
ほっけは皮目がヤケに固い。
身欠きにしんは炊いたのではなく
焼きもので、これまた皮が固い。
てっきり京風の身欠きにしんを
想像していたものだから、少なからず失望。

野菜揚げは茄子やかぼちゃやにんじんを
そば粉のコロモで揚げた天ぷらだが、はなはだ疑問。
ネットリしてしまって、サクサク感がまったくない。
スモークチキンは半解凍状態のルイベ風で来た。
これとて満足度の高いものではない。

キッチリ焦げ目の付いた玉子焼きはよかった。
添えられた辛味大根ともよく合った。
ここまで、ビールを運んで来たのも
酒肴を用意したのも店主ただ独り。
合間を見て、そば打ちもこなしているようだ。

いよいよ第4コーナーを回ってそばモノへ。
挽きぐるみのそばがきは野趣あふれる一品ながら
ニセわさびが痛恨の極み。
ことここに及び、J.C.深くうなだれる。
続いての十割そばと特製十割そばも
香りは香れど、ボソボソのモコモコのコナコナ。
歯も舌もちっとも喜んでくれていない。
甘口・辛口、2種類揃ったそばつゆも何だかなぁ。
掲載候補の夢破れ、明日からまた板橋区を
さすらわねばならぬ心の傷を、いかにとかせん。

 
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2007年8月21日(火)

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