「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第298回
冷やし中華をハシゴする (その1)

次著の取材で昼前から銀座に出た。
気温はすでに35度を超えていたように思う。
2〜3分歩いただけで、背中に汗がツツーッ。
予定は「行ってはいけない有名店」候補の
おでん屋でランチのあとにもう1軒、
京橋に流れて「不満の残る有名店」候補の洋食屋で
ハヤシライスのはずだった。

たどり着いたおでん屋は店を閉ざしている。
つい最近までランチ営業をしていたのだが
その夜、電話で問い合わせると
昼はやめたとのこと、この暑いのにツイてないや。

気を取り直し、京橋の洋食屋を目指す。
5分少々の距離でも額に汗が噴き出てきた。
最近は原稿の締切りに追われて運動不足。
週末の散歩も思うに任せないし、
炎天下歩くのもまた一興と強がり。

ところが到着してみたら
早めのお盆休みでこちらも長期休暇中。
二兎を追うもの一兎を得ず、ことわざ通りだ。
計画ズタズタの無駄足はさすがにこたえて
空しく時計を見れば、12時を回っているではないか。

もうどうにでもなれと
ヤケのやんぱち日焼けのなすび、
色が黒くて食いつきたいが
あたしゃ入れ歯で歯が立たないヨ。
フーテンの寅さんの口上が頭の中をグールグル。

冷たいものがたべたくなって
近場で冷やし中華を食べることにする。
つらつら思いを巡らせて思い当たったのは
銀座でもっとも好きなラーメン店の
「共楽」(第263回参照)だ。

冷房のないこの店を夏場に訪れることは
まずありえないから、冷やしを食べた記憶がない。
冷房なしでも冷たい中華そばなら
灼熱地獄に落ちることもあるまい。
再び歩き出して銀座通りを渡ったときには汗だくだ。

ことここに至り、思い出した。
この日はランチをはしごする計画だった。
それなら冷やし中華のはしごに挑んでみよう。
とにもかくにも1軒目の「共楽」へ。

先日、ラーメンを食べに寄ったときには
姿の見えなかった中年夫婦が揃って健在。
どうやら昼だけは出ているらしい。
フロア担当は中国系の女の子。
食券販売機があるのに、誰も食券を買わないから
彼女が客からお金を受け取り、代わりに買っている。
前金制はクリアしているが
券売機による人件費の節約には寄与していない。

冷やし中華(800円)は
ハシゴに備えて麺少なめでお願いした。
見たところ半人前といった感じで登場し、
これなら間違いなく、2軒は楽勝だ。
  
            =つづく=

 
←前回記事へ

2007年8月22日(水)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ