「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第299回
冷やし中華をハシゴする (その2)

銀座「共楽」の冷やし中華のトッピングは
千切りのチャーシューときゅうり。
その上に黒胡麻がパラパラと振られている。
錦糸玉子の黄色、紅生姜の紅色がないと
見た目は少々寂しいものの
この潔さには好感が持てる。
シンプリー・ビューティフルでもあった。

チャーシューが存在感を放って実に旨い。
これをつまみにビールが飲みたくなるほどだ。
きゅうりも脇役風でいて、本当は主役を務めている
冷やし中華の最重要トッピングは
きゅうりを置いてほかにない。

少なめで頼んだシコシコ麺を
甘辛の調和したつゆにからめ、
たったの2分でペロリ完食。
ラーメンのみならず、冷やし中華の出来映えに
あらためて「共楽」を見直した。

お腹には当然、まだまだ余裕がある。
イタリアンで言えば、アンティパスト代わりに
冷製のカッペリーニを食べ終えた程度にすぎない。

「共楽」の冷やし中華を食べつつ、再び思いを巡らせて
2軒目は「萬福」(第29回参照)と決めてある。
大好きな店で、ここの三大好物は
中華そば・ポークライス・冷やし中華。
したがって夏が来ると必ず1度はこの店に
おジャマすることになる。

昭和通りを東に渡り、
函館ラーメンの「船見坂」を通り過ぎれば
同じ並びに新築なって久しい「萬福」が見える。
暖簾をくぐるとどういうわけか、みな独り客ばかり。
テーブル席はガラガラなのに、カウンターはほぼ満席。

空いた1席にすべり込み、
さっそくの冷やし中華(980円)はここでも麺少なめ。
「萬福」にはチャーシューが主役の醤油ダレと
蒸し鶏が主役の胡麻ダレの2種類が用意されているが
J.C.は常にオーソドックスな醤油派。
実は胡麻ダレがあまり好きではない。
滅多に食べないしゃぶしゃぶでも
胡麻ダレはほとんど使わず、野菜はもとより
牛肉さえもポン酢でいただいている。

麺少なめでもかなりのボリュームがあった。
トッピングは綺麗なピンク色の
ローストビーフを思わせるチャーシューのほか、
錦糸玉子にゆでもやし、大量のきゅうり、
あとは紅生姜と金色の胡麻。

つゆがタップンタップンでずいぶん多い。
当然のことながら、味はかなり濃くなる。
「共楽」のあとだけに
普段はちょうどよく感じるものも甘くしょっぱい。
麺は極細固ゆでシコシコで相変わらずの文句なし。
皿に添えられた辛子が恐ろしくよく利く。

2軒食べ終えての感想は
通常通りにどちらか1軒で食べるのなら「萬福」。
はしごするなら「共楽」という異なる結果。
でもどちらも東京の冷やし中華ではトップクラスで
無駄足のことなどすっかり忘れ去っていた。

 
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2007年8月23日(木)

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