「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第301回
評判ガタ落ちのとんかつ屋 (その2)

自由が丘のとんかつ店「丸栄」に来ている。
読者のT井さんのご指摘を受けてから
いたずらに月日を流してしまった。
その間、友人知人の報告に頼ったところ、
T井さん同様の芳しくない批評もいくたびか耳にした。

前回はランチに訪れたのだが
しばらくの間は夜のみ営業とのこと。
店先にアルバイト募集の貼り紙があり、
昼の時間帯も募っているから
ランチ再開もそう遠いことではあるまい。

満席なので時間が掛かる旨を伝えられる。
中華鍋でゆっくりと焼き揚げてゆくスタイルだから
それは仕方のないこと、ビールを飲みながら待つ。
サッポロラガーの赤星ラベルがうれしい。
ところが、つまみに新香を頼むと味の素を掛けてきた。
「アチャー!」事前に一言、ことわってほしかったなぁ。

注文品は以下の3皿。
ヒレかつ(1200円)・ポークソテー(1400円)・
特製コロッケ(1000円)。
電話でコロッケのテイクアウトを
注文した常連のおばさんがピックアップに現れた。
「あれ、お父さんどしたの?」と聞かれて
「うん、ちょっと」と娘さんが応える。
この会話から店主が今もご健在と判った。

ヒレかつはサイズがまちまちの5ピース。
柔らかくジューシーで、上々の仕上がり。
卓上のとんかつソースはトロッとしていても
ドロリとするタイプとは違う。
甘みが強めながら、スパイシーで印象的。

ポークソテーは赤身・脂身のバランスがいい。
豚ロースの醍醐味をじゅうぶんに味わえる。
上に掛かったソースがとんかつソース主体で
これまた甘さが気になり、塩・胡椒だけで食べたかった。

コロッケはとても独創的。
挽き肉状の豚もも肉を
クリーム系のルウと合わせたもので
コロッケというより、メンチカツに近い。
あるいは蟹クリームならぬ、肉クリームコロッケ。
相方はポテトコロッケを予想していたものだから
ペシャッとした食感に不満を隠そうとしない。

付合わせの千切りキャベツもしんなりといい感じ。
試しに1人前だけ取ったライス(300円)の
炊き上がりもまずまずだった。

客あしらいの評判が悪いようだが
当夜の夫婦?に限って言えば、言葉遣いは丁寧。
受け応えもハッキリと、悪い印象はまったくない。
総じて料理の水準も高い部類に入る。
確かに初訪問の際のランチかつ定食(900円)が
好感度大だったけれど
今でも落ち度や欠点は見られない。
花マルは無理にせよ、普通のマルなら付けたいと思う。

 
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2007年8月27日(月)

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