「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第304回
埼玉と新潟にフラレた夜 (その2)

秋田料理を基本とする大衆酒場の「田や」。
暑い時期に鍋ものを出すわけにもいかず、
それらしい食材はトンブリとミズコブくらいか。
ホヤ酢も三陸産ではなく
日本海で獲れた秋田産とのこと。
おそらく店の創始者の出身地が
秋田なのだろうが、われら3人は
あまり秋田を意識せずに料理を選んでいった。

その前のキリン樽生のジョッキがデカい。
生小(600円)で他店の生中より
大きいのではと思われるサイズ。
これが生大(830円)となると
ヤサ男の片手では持ち上がらない。

注文したつまみ類はほとんどが4〜700円。
最初に来たホルモン焼きは俗に言うコテッチャン。
ホルモン自体はイマイチながら
付合わせの生野菜が大衆酒場らしからぬ立派なもの。
以後、ほかの皿にも脇役として頻繁に登場した。

串カツが極めてユニーク。
串カツと言うよりも串揚げに近い。
爪楊枝の親方みたいなのに刺さったのが計5本。
串に短し楊枝に長し、といったところ。
長さは通常の半分で、串の先っちょは突き出ていない。

新さんまの塩焼きは脂のノリがほんのり。
やっと思春期を迎えたばかりの若いさんま。
丸々と太った脂コッテリの大年増のさんまよりも
生ビールにはこっちのほうがよい。
レモンを搾って大根おろしとともにいただく。
この夏初めてのさんまは美味しかった。

ここでリスクの高いどぜう鍋に挑戦。
これだけは900円と少々値の張る一品だ。
リスクというのは値段のことではなく、
どぜうの品質のことで
下手をすると大きく外すことになる。
ところがそれも杞憂に終わって
小ぶりで良質などぜうと豆腐に舌鼓。

ホッピーを頼んでおいてホヤ酢とミズコブのおひたし。
何だか注文する順番が逆のような気がする。
ホヤは下処理がキチンとなされて酢のなじみもいい。
これによってホヤが苦手だった編集者も食べられた。
ミズコブは茎の節目にコブ状の突起物を持つ山菜。
シャキシャキとした歯ざわりが快い。

そして最後にジンギスカン。
臭みのない羊肉に野菜もたっぷりと
熱い鉄板に盛られて登場した。
これも上々のデキで、守備範囲の広さに舌を巻く。
「埼玉屋」と「新潟屋」で空振りを2度したあとの
クリーンヒットに胸がすく思いだ。

次著のための無名店発掘では
ずいぶんと苦労した北区なのだが
やっと何軒か意に染まる店が現れた。
よいことは続くもので、やはり難儀だった板橋区でも
特筆に価する焼き鳥店をゲットした。
今ここで店名を明かしたいくらいなのだが
それは本が刷り上ってのお楽しみということで・・・。

 
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2007年8月30日(木)

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