「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第306回
沖縄の初めての夜(その2)= 沖縄篇

ブヨヨンとしたソーキの骨付き肉が
泡盛の琉球クラシックとマッチする。
シンプルな味付けがかえって泡盛を
引き立ててくれている。
友人のM永は相当の大食漢なので
各皿の8割がたを平らげているのに
まだものたりなそうな顔をしている。

彼が品書きから見つけた一品が
焼きマコモのミンチ。
「マコモって何ですか?」
「マコモ茸のことじゃないの」
「マコモ茸って?」
「よく中華料理の炒めものなんかに出てくるヤツさ」
「知らないなぁ、判りませんねぇ」
「沼や池の岸辺に生えてるマコモだよ」
「???」
「三橋美智也の『おんな船頭唄』の歌詞にあるだろう
 ♪ 思い出すさえ〜 ざんざらまこ〜も ♪
 あのマコモっていう植物だよ、
 漢字じゃ真菰って書くんだ。
 裕次郎と浅丘ルリ子の『夕日の丘』の3番の出だしもね
 ♪ まこもの葦は 風に揺〜れ ♪
 って、こういうふうに始まるでしょ?」
「?????」
余計に混乱させてしまった。
「そうだそうだ、ワイルドライス判るだろ?
 肉料理の付合わせなんかに盛られてるヤツね
 実はあれは米じゃなくって、マコモの実なんだよ
 水辺に棲むアメリカインディアンの貴重な食糧なんだ」
「あぁ、アレですか!あぁ、アレね、アレですかぁ!」
これにて一件落着。フ〜ッと一息。

その焼きマコモを注文してみると
見た目は若いとうもろこしを縦割りにしたところに
豚の挽き肉とメルティングチーズを乗せ、
オーヴンで焼き上げたような感じ。
ひところはホテルの披露宴でもおなじみだった
ロブスター・テルミドールにもそっくりだ。
沖縄ではマコモもよく食べるらしい。
創作的だが、これはなかなかにイケる料理であった。
支払いは5千円とちょっとで
東京よりずいぶんと安い。

1軒で終わることなどなく、
午前2時まで開いているという「やんばる家」へ。
腹ごしらえはじゅうぶんに出来ているから
つまみは軽いものということで
島らっきょうとへちまチャンプルの2品。

2軒目の酒も泡盛の続きだ。
久米島の久米仙3年は43度の高アルコール度。
同じくロックだが、さすがにチェイサーを脇に置く。
カウンターの端っこのTVがサッカーを映している。
U−17の日本VSフランス戦だ。
さっそくカウンターに移るやいなや
柿谷の超ロング・ループシュートがネットを揺らした。
久米仙の10年に切り替えて、ゴキゲンの乾杯だ。
時計が2時を回り、めでたくお開きと相成った。
サッカーはちょうどハーフタイム。
急いでホテルに戻り、TVをつけてわが目を疑った。
何と逆点されているではないか。
これだからサッカーは目が離せないっつうの!

 
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2007年9月3日(月)

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